ヴェイン(VEIN)の2025年秋冬コレクションが、2025年1月10日(金)、東京・恵比寿にて発表された。テーマは「Leaves」。
タイトルに掲げた「Leaves」、すなわち葉は、ひとつとして同じものはない。異なる形をした葉は、単一で存在することなく、ひとつひとつが重なり、林や森といったひとつの集合体として自由に広がり、続いていく。そんな葉とブランドは、切っても切れない縁があるという。ブランド名Veinは、デザイナー・榎本光希の息子の名に由来し、花を引き立てる葉と同義の「葉脈・静脈」と重なる。パッと目を惹く主役の花よりも、大事なのはその輝きを支える葉、内面なのだと。今季は、そんな「Leaves」に込められた集合体・コミュニティ・内面性を映し出したコレクションを展開していく。
今季を象徴するのは、スポーツチームの練習着に着想を得た「プレップウェア(PREP WEAR)」。榎本が所属していたサッカーチームの繋がりが、今もずっと続いていることに関連して製作したものだ。異なる葉同士が集まり形成するコミュニティと同じように、そこに属していることを示すアイコンとなっている。Vのエンブレムが印象的なTシャツやタンクトップが、一体感を生んでいた。
コレクションは全体的に、ミニタリー感のあるスポーツテイストのルックで構成。年月を経たような風合いのスウェットやタンクトップ、ワーク感のあるワイドパンツなどが登場した。いずれもゆったりとしたオーバーシルエットで、自由な空気感を持つ。時折、榎本が撮影した草木の写真をプリントした伸縮性のあるタイトトップスやレギンスを差し込み、コントラストを強めた。
ミリタリーとは遠く思われるコーデュロイやモールヤーンといった意外な素材を取り入れているのも特筆すべきだろう。コーデュロイは、ワークウェアのような印象を与えるつなぎに用いられ、どこかシックに。モールヤーンは、襟ぐりの大きく開いたプルオーバーに採用され、落ち着いた装いを叶えた。意外性のある素材の混入は、共生の可能性を広げることに寄与し、ほかのルックとは一線を画した。
スタイリングの輪郭がはっきりとしない、放胆なスタイリングには、着用者の自由を重んじるというブランドのアプローチが現れている。着こなしはあくまで着る者に委ねられているのである。ジーンズはウエストのボタンをしめずにずり落ちているかのようで、またシャツは大胆にレイヤードし、方々に裾が出ている。このような着たままの状態からどう整え、崩すかは、繰り返すがあくまで自由なのだ。