3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)の秋メンズコレクションは、ブランドの精神である「日常にあるロマンス」をより追求した形を提示した。
クリエイティブ・ディレクターのフィリップ・リムはありきたりなアプローチから脱却するために、友人のパオロ・ロルダン(Paolo Roldan)をモデルに起用し、さらにスタイリングまで彼に全て任せるという試みを行った。その結果、より現実的な男性像が出現することとなったが、これにはフィリップの揺るぎない自信が表れているといえるだろう。
ワードローブのカラーリングは、洗練された男性像をサポ―トするベージュやネイビー、バーガンディ、そしてホワイトとブラックに統一され、個々のアイテムも普遍的なシルエットにデザインされた。そこに、古英語フォントのロゴや、ヒョウ柄といった要素、またレザージャケットやスタジャンなどのアイテムが、ストリート感をプラスしている。
これらのウェアを用いたコーディネートで特徴的だったのは、セットアップスーツの上に赤いチェックのジャケットを羽織ったり、スタジャンの上にトレンチコートを重ねたりした着こなしだ。ビジネスライクなアイテムとカジュアルなアイテムとをぶつかり合わせることで、どちらの雰囲気にもはまらない、新鮮なスタイリングが披露された。
フィリップ自身、モデルの着こなしに関して「彼は、新鮮で洗練されたストリートエレガンスを引き出すユニークな視点を持っている。」とコメントしている。ワードローブ自体も、成熟した男性のみが持ち得るエレガンスさと、反抗的な態度とが組み合わさったようなものに仕立てられている。
なお、足元の着こなしを完成させたブーツは、UGG(アグ)と3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)がコラボレーションしたもの。2017年秋より展開される予定だ。