ビューティフルピープル(beautiful people)2017年プレフォールコレクションが発表された。今季のテーマは「BAD SENSE(=悪い趣味)」。良い趣味・悪い趣味の境界線、そんな固定概念を取り払った服作りを目指した。洋服と和服の概念が組み合わさっていたり、サイズの概念が再考されていたり。さらにコーディネートの概念も乗り越え、新しい衣服へと姿を変える。
ブランドのアイコンである「トレンチコート」は見慣れているカーキやベージュではなく、鮮やかなパープルに染め上げられ、「和服」のディテールを取り入れることで変化球アイテムに様変わり。「着物」のたもとをイメージしたボリュームのある袖、そして帯から着想を得た、太めのサッシュベルトが付けられている。
他にも「着物」のディテールは、あらゆるところに仕掛けられた。「たたみ線」から着想を受け、肩や袖にプレス線を入れたコートやブラウス、子供の着物に見られる丈詰め=「肩上げ」のエッセンスを取り入れたシャツワンピースなどがその一例だ。さらに、「反物」を連想させる四角形や長方形の状態で裁断し、ダーツを取らずに平面的に仕上げたシャツも。
サイズの概念を取り払えば、極端に大きなブランドタグの付いたレインモッズコートやオーバーサイズのTシャツドレスが出来上がる。
コレクションを駆け抜ける、オレンジ・ブルー・グリーン・イエローといった鮮やかなカラー使いも今シーズンの特徴だ。さらに、春を待ちわびる気持ちを盛り上げるフラワープリント。これは、ただの花ではなく食中植物を落し込んだもの。プリントされたスカートやトップスには、少し毒々しさが宿る。
これまで発表されたテディベア型のポシェット、芸者の髪飾り‟銀ビラ”をイメージしたアクセサリー、ランドセルバッグといったユニークなアクセサリーは今季も健在だ。ヴィンテージソファをそのまま落とし込んだかのようなチェーンバッグや、ヨット帆の素材で作られたパラシュートのようなビッグトート、さらに食中動物をイメージしたイヤーカフや、ボリューミーなパールアクセサリーが着こなしを彩っている。
先シーズン東京コレクションで開かれたショーで、本格的に発表の場をパリへ移すことを公表したビューティフルピープル。いよいよ、その最初となる秋冬コレクションのプレゼンテーションを3月4日(土)に控え、ますます注目度が高まる。