アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表した。
今シーズンのインスピレーションとなったのは、イギリスにあるウィッシュ・ツリー(願かけの木)である。日本でいう七夕の短冊のように、人々がカラフルなリボンに願い事を記し木に吊るす。枝には流れるようにカラフルなリボンが結びつけられ、それを見るだけで幸運を授かったような気持ちになる神秘的なものだ。
今季はこのアイコンをファブリックや刺繍、そして糸そのもので表現した。ブラックレザーのコートやドレスには、手作業でハトメをつけその間にカラフルなリボンを通した。ニットドレスにはたっぷりフリルをあしらい、加えてリボンディテールを添えて。また、ウィッシュ・ツリーそのものをビーズや糸を使って刺繍で描いたシースルドレスも存在。根が生え太い幹をつけ、大きく枝を張り葉をならす。その木の一生をポエティックに描いた姿は絵画のような迫力がある。
また、ラッキーモチーフはこの木だけでなく、動物や植物でも表した。ホワイトデニム地やレース素材の上からは、様々な色彩を用いて世界中から集めたラッキーアイコンを散りばめた。わしやかえる、やぎ、様々なハーブたち、そしてマックイーンのバースデーまでも。やはり刺繍からはカラフルな糸が伸び、あえてアンフィニッシュの自然なままで残している。
パンツルックと合わせたテーラードは、ヘムラインで遊びアシンメトリーに仕立てた。ショルダ―部分は膨らませて強さを強調する。身体にフィットしたスリムなシルエットが多いが、シルクプリントのドレスは優雅に風を切って進んでいる。描いたのは教会のモチーフで、アレキサンダー・マックイーンらしく左右対称に綺麗に並んでいるのが特徴である。