イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)の2018年春夏コレクションが、2017年6月22日(木)にフランス・パリで発表された。
今シーズンの着想源は「砂漠への旅」。照り付ける太陽、ひと時の安らぎをもたらす星空。果てしない彼方へ向かって旅をする、たくましい男性像を描き出した。
乾いた過酷な環境下で、自らの強さのみを信じて過ごすための服は、快適でなければならない。ブランドの代表的なテキスタイルである両面コットンは新スタイルへと昇華された。柔らかくリラックスした風合いは彼らの旅の友となる。砂の大地をイメージしたアースカラーが、この心地よい服に奥行きのある色彩をもたらしている。
砂漠という土地は、時に偶発的な美しい表情に出会える。カットジャカードで抽象的に織り上げて表現する砂漠のランドスケープ、ポリエステルのブロード生地とコットンのブロード生地であらわす砂が波打つような景色。そして、職人の手によって複雑に組み合わせられたマーブルプリントからなる地層のグラデーション。素材を知り尽くすイッセイ ミヤケ メンの試みが集約され、壮大な景色が現実のものとして服の中に落とし込まれた。
もちろん空想上の旅のみを描いているわけではない。こうした架空の物語を表現するうえで、超現実的で実用的な部分にも目を向けているのがイッセイ ミヤケ メンだ。縦シワを入れたシャープな印象のジャケットやパンツは、アイロン不要で水洗いもできるうえ乾きが早い。まさに実用的なアイテムなのだ。
この「砂漠の旅」という空想のストーリーには、創作への熱意だけでなく、職人たちの手作業など超現実的な思考が隠れている。そして、時折隠れるアイテムの高い機能性も。しかしながら、そうであるからこそ、よりこの旅を経て描いた男性像が具現化されるのだろう。