モスキーノ(MOSCHINO)の2018年春夏コレクションーミラノ・ファッション・ウィーク2日目の夜、毎シーズンお祭り騒ぎのように行われるのが、モスキーノナイト。ジェレミー・スコットが繰り出す、ファッションショーよりエンターテインメントショーに近いコレクションは、多くの人の心を虜にする。
そんなジェレミーによる新作は、モスキーノらしいスタートダッシュであった。アイコンの一つライダースジャケットを基軸に、身頃を胸上でカットオフしたり、スタッズを”じゃらじゃら”デコレーションしたり、裾を広げてチュールをかませたりしてアレンジ。合わせたのは、バレリーナをイメージしたというカラフルなチュールドレス。
そこにさらに、ユニコーンのキャラクターMy Little Ponyとのコラボレーションによる、ライトピンクやライトブルーのシャツ、タンクトップ、ランチボックス型のハンドバッグが加われば、”甘辛ミックス”なスタイルが完成する。
ジェレミーにしては穏やかでファンシーなショーと思いきや、ジェレミーの春はここから。ランウェイ奥に広がった「MOSCHINO」ロゴを見ると自ずとシーズンキーワードは伝わってきた。ブランドロゴを囲むように咲いた赤や黄色、紫の花々。そう、今季の鍵を握るのは「花」だ。
そこからの展開は目まぐるしいほどスピーディー。まずは、一輪のピンクの花をモチーフにしたドレスが登場すると、モデルは胸元から、一枚また一枚…といった感じで花びらを観客に振る舞っていく。
続くのは、モスキーノ流フラワープリンセスといったルックだろうか。花びらを忠実に再現するため、ムラ染めしたビッグドレスや蕾と見まがうほどタイトなドレス、またテキスタイルの重なりで花びらのボリュームを表現したワンピースなどが続く。中には、ドレスそのものが花の形をした球体のウェアもあった。おしべやめしべはよりリアルに再現され、ドレスから黄色い突起物が顔を出している。
また、花そのもので作ったワンピースやパンツルックも登場。色とりどりの花を寄せ集めたウェアは、まさに”動く花々”といったところ。白いテキスタイルで包み込み、真っ赤なリボンと合わせれば、花束のようなドレスにも姿を変える。
また、花に誘われてきた蝶々までもデザインに。紫のふわふわとした球体に集まる、色彩豊かな蝶々がふんだんにあしらわれたドレスルックも、ミラノの夜を盛り上げた。