N°21(ヌメロ ヴェントゥーノ)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッション・ウィーク初日の2017年9月20日(水)に発表された。
N°21を手掛けるアレッサンドロ・デラクアが追い求めてきた「男性性と女性性」というキーワード。両者の共通項と融合点を見出すため、これまで幾重にもクリエーションを繰り返してきたが、昨シーズンはフェミニニティに寄った印象で変化が見られた。今季は、より大胆にフェミニニティへとシフト。女性性への興味関心が増したようで、ショー全体はロマンティックなムードに包まれている。
象徴するのは、ピンクの連続となるスタート。キャミソールドレス、パフスリーブワンピースなど、桃色で染め上げられたウェアに、スパンコール装飾、くしゅっと寄せたギャザーがのり、可愛いらしい雰囲気を作る。続くのは、ペンシルスカートやプリーツスカートなど。
くすんだピンク色のレザーシャツやジャンパー、スウェットパーカなどでトーンを抑えつつも、それらには、オーガンザのカバーリングや、フェザー、花刺繍などの装飾が施されているため、男性性の参入は極めて印象に薄い。
ピンクを筆頭に、ソフトなイエローやヌードカラーなど、柔らかい色彩が並ぶショー。後半からはレッド、ブルー、ブラックと力強いカラーが姿を見せる。このカラーチェンジにより、テイストそのものも変化すると思いきや続行。プリーツスカートやノースリーブドレスなどが主役を担い、可憐なムードを盛り上げる。
ここで気付かされるのは、カラーの影響力の強さである。序盤から登場していた、同じシルエットのアイテムが強い色彩が頭角を現すことにより一気に刺激的に見えてくる。特に、タイトスカートは青と赤でボタニカル模様をパッチワークすることで、民族的なエッセンスも保有する。
また、レオパード模様がさらに拍車を掛け、肌の上に重ねることで夜のムードを運び、女性から可愛いらしさだけでなく、センシュアルなムードを引き出している。