ヴェルサーチ(VERSACE)が、イタリア・ミラノで発表した2018年春夏コレクションは、ブランドにとってメモリアルなコレクションとなったであろう。
ジャンニ・ヴェルサーチが没後20年を迎えた。アニバーサリーコレクションとなる今季は美術展覧会が行われるミラノ・トリエンナーレが会場に選ばれた。座席には一つの冊子が置かれている。カレンダーサイズのそれには、ジャンニが手掛けてきたアーカイブプリントがいくつも記されていた。そして、この冊子がこれから開かれるランウェイショーにつながっていく。
始まりの合図と共に「Thank you ジャンニ、we love you.congratulation genious」といったジャンニを讃えるサウンドが流れる。ジジ・ハディッド、ベラ・ハディッド含む豪華モデルが纏うのは、アーカイブ作品から生まれたウェア。
中でも、ヴェルサーチならではのシルクプリントは美しい。ブラック&ゴールドの「BAROQUE」、アニマルモチーフの「ANIMALIER」、インディアンの姿を描いた「NATIVE AMERICANS」、ヒトデや貝を現した「TRESOR DE LA MER」など、1997年からのブランドの軌跡を辿る思い出の数々が、ボディコンシャスなシルエットにのる。
クラシックなシャツ、スポーティーなブラトップ。そしてシェイプされたジャケット&ドレス。デニムをモードへと昇華させたセットアップや、シャツ&スリムパンツで作るカーボーイルック、ペールトーン一色のロゴTシャツ&パンツスタイル、女性らしいベアドレスまで数々のスタイルが披露される。
モデルたちは3体、4体で並んで歩いたり、1体で優雅に舞ったり。最もエンターテインメント性が高かったのは、フィナーレを終えた後のこと。会場のライトが消え、再びステージに明かりが灯ると、ジャンニの栄光を讃えるかのように往年のトップモデルがドナテラと共に顔を見せた。ナオミ・キャンベル、シンディ・クロフォード。「Gianni this is for you」のサウンドにマッチする、華麗な笑顔を見せていた。