まとふ(matohu)の2018年春夏コレクションが、2017年10月13日(金)に東急プラザ銀座 KIRIKO LOUNGEにて発表された。
日本人が古くから持ち合わせてきた美意識を、現代の視点から追究する「日本の眼」シリーズ16回目となった今回のコレクション。今季は「かざり」をテーマに、日本の装飾文化にフォーカスを当ててまとふのクリエイションへと昇華させていく。草花を“髪に挿す”ことに由来すると伝えられる「かざり」という言葉。生き生きとした自然の美しさに装飾の原初を見出した、その根源にある日本人と自然との強いつながりを描いていく。
さらりとした布地に馴染む淡い色合いは、空や野草、太陽の光を思わせる。パステルカラーから、光を受けて輝くゴールドやシルバーまで様々な色合いが登場し、奥ゆかしくも華やかな彩りを見せて祝祭的な雰囲気を作り上げる。
背中に大胆に翼をプリントしたコートは、一枚の大判の布にプリントを施したまとふ初の試みによって生まれた一着。手描きで描かれた繊細な羽根が集まって形成される翼は、祭事や華美な建築装飾に登場する、神聖な鳥を思わせる。金色の糸で表現された千鳥格子もまた、絢爛な雰囲気を生み出している。
鮮やかに咲き誇る牡丹の花は、マニッシュな印象のロングコートにも、黒い生地との切替が鋭い緊張感をもたらすブラウスやスカートにも彩りを与える。斜めにカッティングされたアシンメトリーのドレスには、光のレイヤーの様なグラデーション。時間とともに移ろう空を投影したかのようだ。
小物は様々な作家とコラボレーション。帽子はオードモードヒラタの石田欧子が自由な発想で作り上げたものだ。空に向かって伸びていく枝のようにエネルギッシュな造形のストローハットや、牡丹が思い切り花を広げるハットなど、独創的でパワフルな作品が登場。
バッグには、京都のアーティスト裕人礫翔による金箔や銀箔をあしらい、贅沢に仕上げている。羽根モチーフなどのアクリル・アクセサリーは、アーティストの播安芸子、長野大洋によるもの。様々なクリエイティビティによって、生命力にあふれたまとふの世界が作り上げられている。