TOGA(トーガ)の2018年春夏コレクションが東京・国立新美術館にて発表された。12年ぶりとなる日本でのショーは、20周年を記念したものだが、デザイナー・古田泰子にとってはあくまでも現在進行形のTOGAを見せる場所としての想いが強いショーだった。
会場に都会の喧騒が流れ始め、ショーが始まると、モデルは国立新美術館の長いエスカレーターを下りてランウェイを歩く。ロンドンでこれまで発表されてきたコレクションと違うのは、メンズとウィメンズを両方展開させたこと。デザイナーが日本という土地でショーを開催するにあたってボーダーレス、ジェンダーレスを意識した結果だ。
今季の"HOLES,SUITS,CRUMPLED"というテーマの通り、前後にえりのあるシャツや丈が極端に短いテーラードなど、スーツスタイルをとにかく様々に変形したワードローブを展開。ショー中、音楽の勢いが変化し、その変形もより過激なものに。他にも袖がノースリーブ風に破れたテーラードや、裏返しに着ているように見えるジャケットなど、自由に変形を重ねている。
多数登場する、バックスタイルで背中が大胆に空いているトップスや、足を裾から出して着る変形のプリーツスカート。既存の服では見ることができないが、TOGAの服でこそ見ることができる「第三の肌」をそこに出現させる。
ショーが進むにつれ、ホログラムのような虹色のドレスなど、コレクションは、さらに軽やかに自由に変化を遂げる。片方の肩に大きく穴を開け、ブラトップとレイヤードして着るワンピースも登場。穴を開けたり、大胆なカッティングであったり…身に纏う人も制約から解き放たれる洋服を提案し続ける現在のTOGAを、現代的な夜の美術館で確認できるショーであった。