リミ フゥ(LIMI feu)の2018年春夏コレクションが発表された。
今季のテーマは「サンセット」。強い光で世界を照らす太陽がどんどん海へと沈んでいき、夜の世界へと変わっていく、繊細で空虚にすら感じられる時間帯。静かに一人佇む女性の、確かな存在を証明するかのような、芯の通った強さを表すコレクションとなっている。
オールブラックの硬質なギャバジンのベストは、メッシュ素材のドレスと合わせることで緊張感を和らげる。透けて見える肌に安心感を覚えながらも、意志の真っすぐさはそのままに表現。オフショルダーのブラックドレスは、生地をたっぷりと使い、波のようなドレープを描き出す。気高いオーラを放ちながらも、どこか荒涼とした風景を思わせるようだ。
桜色のブラウスや薄水色のスカートなど、明るく鮮やかな発色が目を惹く。シルクやジョーゼットサテンといった、光沢感のある柔らかな生地を、着物を染めるように、伝統技法を駆使して職人の手で染めている。製品染めによって染められた色はごく自然に洋服へと馴染んでいき、しなやかで上品な雰囲気を演出する。また、立体感のあるタイダイ染めも登場。陽の光が差し込むような滲み感や、スモーキーな色合いが表情豊かにルックを飾る。
ボーダーやレースアップなど、マリンテイストのディテールは、日没の海を連想させる。アシンメトリーにボーダーとジョーゼットを切り替えたドレスには、燃えるような赤のストールを組み合わせ、ゆとりのあるシルエットのスタイリングに力強さを持たせた。
歩を進めると風になびいて服が様々な表情に変化する、リミ フゥならではのフォルムの美しさは今シーズンも健在だ。生地が動きたい意志を叶えるカッティング、身体に寄り添う素材、複雑で立体的なパターンの歯車が合って完成されるピースは、まるで生きているかのように動き、圧倒的な存在感を放つ。