JW アンダーソン(JW Anderson)の2018-19年秋冬コレクションは、初のメンズ・ウィメンズ合同ショーだ。実用的なものからアーティスティックなものまで、“とある日常”を想起させるものたちに試行錯誤を重ねて遊び心たっぷりに表現したワードローブが登場する。
ウィメンズの提案は、シャーリングとバルーンの裾によって躍動感を出したワンピース、プリーツスカートをエプロンのようにレイヤードしたようなロングドレスなど。ラッフルやレイヤードで、ほんのりユニークなテイストを加えているのもブランドらしさ。その一方でジッパーを配して変形を可能にしたり、スカートに“傘”のディテールをあしらって美しい落ち感を出したりして、装飾に遊びと実用性を両立させているのもジョナサンならではの表現だ。
本来、実用性を最も重要視するはずのミリタリーは、今季、遊び心の宝庫となった。メンズでは、セーラーカラー風のトレンチコート、ダブルニーをサークル型にアレンジしたカーキのパンツなどが目を引いた。軍服に配されるバックル付きのアジャスターは、機能的な意味をなさず“顔”を描いたニットに装飾として配されている。ダッフルコートはモダンな解釈で提案し、肥大化したトルグを配した。
ニット類も楽しいポイントばかりで、ウィメンズのセーターの袖はまるで抽象的なアートのようだし、メンズのセーターの旨にはウサギの形をしたポンポンが配されている。ケーブルニットに至っては、ヘムにランダムな“タコ足”が生えている。そして、足元はジョナサン自身も日常で愛用しているコンバース(CONVERSE)とのこれボレーションをベースに。日常に遊びを加えるデザインが今季も満載だった。