ファンダメンタル(FDMTL)の2025年秋冬コレクションが、2025年3月24日(月)、東京タワーメディアセンター内スターライズタワーにて発表された。テーマは「バタフライエフェクト(Butterfly Effect)」。
最初で最後のつもりでランウェイ形式にて発表した、ファンダメンタル2025年春夏コレクション。デザイナーの津吉学は、ショーを満席の客席の後ろから見守りながら、「人生の終わりにはこの光景を思い浮かべるだろう」と感じたそう。一生の思い出になる瞬間なんて人生そう多くないだろうと語る彼にとって、最後のつもりだったあのショーは、彼の洋服作りをちょっぴり変えたのである。
そんな、思いもよらなかった気持ちの小さな変化から、ショーを再び開催しようと決意。「バタフライエフェクト」と名付け、コレクションを展開した。
小さな変化が、やがて大きな変化を生む「バタフライエフェクト」。今季、津吉の洋服作りに対する変化を大きく表したのが、“インディゴ”以外のカラーを取り入れたことだ。続々と登場したカーキをベースとしたウェアからは、「自分の作る服はインディゴであるべきだ」と思っていた津吉の気持ちは感じられない。デニムとドッキングさせたジャケットのほか、ナイロン素材を用いたMA-1などにカーキを取り入れ、新鮮な風を吹き込んだ。
シルエットも、これまでにないものを採用。アシンメトリーな丈感に調整したジャケットがその好例だ。ベースとなるベーシックなデニムジャケットの片側に、別のショート丈のジャケットを重ね、前後左右で異なるバランスに。レイヤードしているかのようなスタイルも楽しむことができる。
パンツに取り入れた袴のシルエットもまた、津吉の気持ちの変化を示す。股下を深く、ワイドなシルエットに仕上げたパンツは、いつもより存在感がある。
また、楽しんで作ることを重視した今シーズン。サークル状の布で覆い“つぎだらけ”に仕上げたMA-1や、半纏に着想を得た羽織ジャケットなどは、コンピュータを活用した遊び心あふれるアイテムに。プレーンなインディゴ生地をコンピュータでぐるぐるとカットし、刺繍を施して印象的な見た目に仕上げた。ダメージ感のある糸のほつれなども相まって、ヴィンテージライクな雰囲気も漂う。
同じくコンピュータを用いて、インディゴに柄を描き出したノーカラージャケット&パンツのセットアップも。撮影したものをスキャンし、襤褸に着想を得た模様をジャカードで生地に落とし込んだ。撮影したものを完全には再現できないという面白さを楽しんだという。