ディゼムバイシーク(disemBySiiK)の2025-26年秋冬コレクションが、2025年4月1日(火)、東京・渋谷にて発表された。テーマは「In my room」。ショー形式での発表は初となる。
次から次へとやってくる毎日、日々を消費する側であるはずの自分が実は捕食される側なのではとふと思い当たったデザイナーの北村郁人と石井紗恵子。身体や思考すべてが消費され尽くされてしまうのではないかという焦燥感で自分がとらわれそうな時は、部屋の中に閉じこもってみるそう。そこで気付いたのが、日常の中で見落とし、取りこぼしてしまいがちな小さなものコトが実は溢れているということ。今季は、テーマに「In my room」を掲げ、極めてパーソナルで、内なる自分を見つめてようやく見つかるような幸せをぎゅっと詰め込んだ。
まずは、ブランドを象徴するシグネチャーデザイン、アッセンブルシリーズより、パファーダウンに目を向けたい。アッセンブルシリーズは、2着の服を組み合わせ、切り離して1着でも着用できるよう仕立てたディテールが特徴だ。今季は、ふっくらと厚みのあるパファーのジャケットと機能的なベストを合わせたダウンのほか、ベルト使いが目を惹くオーバーオールなどが登場した。
どこか、衣服が絡まりあっているような印象を受けるピースは、散らかった部屋の中、床やソファに脱ぎ捨てられて絡まってしまった服をイメージした。ナイロン素材のアノラックとギャザーストラップが特徴のボディスーツを合わせたルックがその好例だ。
2024-25年秋冬シーズンに続き、今季もトレンチコートの多様な再解釈が見られる。ストレートにもふわりと風に舞うフレアにも、ジッパーでシルエットを自在に調整できる多層的なデザインや、トレンチコートの前身頃やガンフラップをそのままデザインに採用したベアトップなど、アイコニックなディテールをそのまま活かし、シルエットをアレンジした。
テーラードジャケットやパンツなどに散りばめたDのクロシェ編みは、朝食のミネストローネに浮かんでいるアルファベットのマカロニを表現。フォーマルなウェアに遊び心あふれるディテールを添えると共に、日常の中で心温まるひと時を過ごすように、クロシェ編みが織りなす温かさもプラスした。