ヨシオクボ(yoshiokubo)の2025-26年秋冬コレクションが、2025年3月17日(月)、東京・浅草花やしきにて発表された。テーマは「KESSAKU(傑作)」。
大阪の人々に使われる「傑作」をテーマとしたヨシオクボの2025-26年秋冬コレクション。ここでいう傑作は、“非常に優れた作品、最高の作品”という意味ではなく、想像とは違った意表を突くような“オチ”に出会った時などに用いられ、感心や感嘆といったニュアンスを含んでいる。今季は、そんな“意表を突く驚き”をコレクションにて体現していく。
まずはじめに注目したい傑作は、とことん追求したパターン。これまでなかったような、誰も思いつかないようなパターンで服を作りたいとの思いから製作に至った。パターンは、迷路のようにうねうねと服の上を走り、模様となって現れる。機能的なジャケットやスウェットに用いられ、終わりなく続く独創的な“切り替え”を追わせるように、観客の目をくぎ付けにした。
迷路のようなパターンに掛け合わせたのが、不規則なようで律動的なギャザーだ。これまで何度も用いられてきた、ヨシオクボが得意とするギャザーを流線型のパターンに沿わせるようにしてあしらい、リズミカルにアクセントをプラス。一方で、袖いっぱいにギャザーを配し、ぎゅっとしぼりあげたようなジャージも展開された。
繊細かつ大胆なカッティングにも意表を突かれることだろう。その象徴的なルックが、複雑な重なりをみせるカットアウトが目を惹くナイロンジャケットだ。薄く透けるナイロン素材を切り抜き、縫い合わせるのは難しく、その超絶技巧にも目を見張る。
巨大化されたバッグ類にも注目だ。ポリエチレンのロールバッグやドラムバッグのほか、ソリをそのままデザインに採用したバッグなど、遊び心溢れるバッグが出揃った。そんな中、最後を飾るモデルが背負った、ヤクをモチーフにしたリュックサックは、身体を優に超えるほどの大きさに。一段と意表を突いた、傑作なルックとなった。