展覧会「英国王室に咲くボタニカルアートとウェッジウッド —植物画のおいたち—」が、高知県立美術館にて、2025年4月24日(木)から6月29日(日)まで開催される。
北方に位置し、かつて限られた植物しか自生しなかったイギリスでは、人々は世界の草花を熱心に探求した。18世紀に入ると、世界各地の植民地から、イギリスにさまざまな植物がもたらされている。植物学者はこうした植物を研究する一方、植物を正確に描く画家が登場するようになった。こうして生まれたのが、植物を精密に描いたボタニカルアートだ。
「英国王室に咲くボタニカルアートとウェッジウッド —植物画のおいたち—」展は、イギリスで隆盛したボタニカルアートを紹介する展覧会。ボタニカルアートの作品を通して、イギリスの歩みの一面をたどるとともに、植物をモチーフとしたウェッジウッド(WEDGWOOD)の製品も公開する。
18世紀半ばのイギリスでは、ジョージ3世と王妃シャーロットの治世のもと、王室が世界各地の植物収集や国内の庭園整備などを支援したことから、王室と植物学に深い関わりが生まれた。また、1787年には『カーティス・ボタニカル・マガジン』が創刊され、ボタニカルアートは学者や貴族ばかりでなく、市民のあいだにも広がるようになった。
本展では、科学性と芸術性が融合した、ボタニカルアートの作品を紹介。ボタニカルアートを象徴する植物図鑑『カーティス・ボタニカル・マガジン』を中心に、植物画史において独創的な作品として知られる『フローラの神殿』、南ネーデルラントに生まれ、「バラの画家」や「花の画家」として知られることになったピエール=ジョゼフ・ルドゥーテの作品など、色とりどりの花の姿を目にすることができる。
王妃シャーロットは、植物学に傾倒し、自ら植物画を学んだばかりでなく、陶磁器産業の発展にも貢献した。なかでも、1759年に設立されたウェッジウッドには、「クイーンズウェア(女王の陶器)」の称号を与え、王室御用達として庇護している。会場では、《ティーカップ&ソーサー「ジャパン・パターン」》や《ポートランドの壺》など、植物の姿を表したウェッジウッドの陶磁器を紹介する。
展覧会「英国王室に咲くボタニカルアートとウェッジウッド —植物画のおいたち—」
会期:2025年4月24日(木)〜6月29日(日) 会期中無休
会場:高知県立美術館
住所:高知県高知市高須353-2
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料:一般 1,300円(1,040円)、大学生 900円(720円)、高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体割引料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳の所持者および介護者(1名)、高知県、高知市長寿手帳の所持者は無料
【問い合わせ先】
高知県立美術館
TEL:088-866-8000