展覧会「五大浮世絵師展—歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」が、東京・上野の森美術館にて、2025年5月27日(火)から7月6日(日)まで開催される。香川の高松市美術館でも開催された巡回展だ。
「五大浮世絵師展—歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」は、江戸時代を代表する5人の浮世絵師、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳を紹介する展覧会。美人画や役者絵、風景画など、それぞれの分野で足跡を残した5人の絵師の代表作を中心に、約140点の作品を一挙公開する。
喜多川歌麿は、遊女や芸者など、女性を優美に描き、その色香を見事に表現したことで知られる。20代の頃の役者絵で錦絵にデビューした歌麿は、版元の「蔦重」こと蔦屋重三郎にその才能を見出され、美人画の大スターとして活躍することとなった。本展では、《当世踊子揃 吉原雀》や《教訓親の目鑑 俗二云 ばくれん》、《両国橋上橋下納涼之図(橋下の図)》など、歌麿の美人画を目にすることができる。
東洲斎写楽は、短い活動期間ながら、個性的な役者絵を残した絵師だ。歌麿と同様、蔦重に見出された写楽は、役者絵で鮮やかなデビューを果たし、役者の顔を大胆なクローズアップで描いた大首絵を残した。その作画期は、取材した歌舞伎の上演時期に応じて4期に分けることができる。本展では、そのなかでも写楽の強烈な個性が強く発揮されている、第1期の作品を軸に紹介。《二世嵐龍蔵の金貸石部金吉》や《三世坂東彦三郎の鷺坂左内》などが一堂に会する。
《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》で世界的に知られる葛飾北斎は、美人画や役者絵が中心であった浮世絵版画に、風景画という新機軸を持ちこんだ。70年以上のおよぶ画業のなかで、版本挿絵から錦絵、肉筆画まで多彩な作品を手がけており、富士山を題材とした「冨嶽三十六景」は70代の作であるなど、晩年まで飽くなき探求を続けたといえる。会場では、《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》や《冨嶽三十六景 東海道金谷ノ不二》などを展示する。
歌川広重は、北斎とともに風景画の分野で名高い。デビュー当初は役者絵や美人画を描いていたものの、風景画の揃物「東海道五拾三次之内」により、風景画の絵師としての名声を確立。同シリーズのような「街道絵」のほか、各地の名所を描いた「名所絵」も得意とし、なかでも「名所江戸百景」は、晩年の傑作として知られている。本展では、や《東海道五拾三次之内 庄野 白雨》や《名所江戸百景 水道橋駿河台》など、広重ならではの視点が光る風景画の数々を紹介する。
歌川国芳は、中国の古典『水滸伝』を主題とした作品で注目を集め、役者絵で地位を確立。3枚続きの大画面によるダイナミックな構図を用いるなど、役者絵の表現の幅を広げていった。また、美人画で華美な遊女が描けない時代にあって、シックに装った町の女性を描いて人気を博するほか、西洋風の表現を取り入れた風景画、ユーモラスな戯画も手がけている。会場では、《相馬の古内裏》や《人かたまつて人になる》など、国芳によるさまざまな作品を目にすることができる。
展覧会「五大浮世絵師展—歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」
会期:2025年5月27日(火)〜7月6日(日) 会期中無休
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
開催時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
観覧料:一般 2,000円(1,800円)、高校・専門・大学生 1,500円(1,300円)、小・中学生 800円(600円)、未就学児 無料
※( )内は前売料金(4月25日(金)10:00から5月26日(月)まで販売)
※チケットは、フジテレビダイレクト、チケットぴあ(Pコード 687-228)、ローソンチケット(Lコード 32269)ほかにて販売
※小学生以下は要保護者同伴
※障がい者手帳の所持者および介助者(1名まで)は当日料金から半額
【問い合わせ先】
ハローダイヤル(9:00~20:00)
TEL:050-5541-8600