展覧会「葛飾応為『吉原格子先之図』 ─肉筆画の魅力」が、東京の太田記念美術館にて、2023年11月1日(水)から26日(日)まで開催される。
江戸時代後期の浮世絵師であり、葛飾北斎の娘でもある葛飾応為(かつしか おうい)。応為の作品は、世界で十数点しか確認されていないものの、北斎とも異なる作風で知られている。なかでも、代表作《吉原格子先之図》は、江戸の遊郭・吉原の光と闇を、西洋絵画を彷彿とさせる陰影表現を駆使して描きだした名品だ。
《吉原格子先之図》には、遊郭の客が手にする提灯や室内の明かりなどのもと、人々の姿が闇の中で幻想的に浮かび上がる。こうした色彩やグラデーションの表現からは、応為の優れた筆致を見てとることができるだろう。展覧会「葛飾応為『吉原格子先之図』 ─肉筆画の魅力」では、応為の《吉原格子先之図》を約3年半ぶりに公開するとともに、太田記念美術館が所蔵する肉筆画を展示する。
肉筆画とは、浮世絵師が筆を使って紙や絹などに直接描いた作品をいう。浮世絵のなかでも、数多くの枚数が摺られた版画とは異なり、肉筆画はいずれも浮世絵師の手による一点ものだ。そこには、繊細な描線やグラデーションなど、絵師それぞれの筆致が現れている。
本展では、江戸時代の菱川師宣や喜多川歌麿、葛飾北斎から、明治時代の小林清親まで、幅広い絵師によって描かれたさまざまなテーマの作品を紹介。喜多川歌麿《美人読玉章》や歌川国芳《浴後美人図》などの美人画ばかりでなく、風景、市井、あるいは物語を描いた肉筆画作品を目にすることができる。
展覧会「葛飾応為『吉原格子先之図』 ─肉筆画の魅力」
会期:2023年11月1日(水)〜26日(日)
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
開館時間:10:30〜17:30(入館17:00まで)
休館日:月曜日
入館料:一般 1,000円、高校・大学生 700円、中学生以下 無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)