展覧会「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」が、2025年7月16日(水)から9月17日(水)まで、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーにて開催される。その後、北海道、長野、愛知などにも巡回予定だ。
丸々とした白い身体や大きな鼻がチャームポイントのムーミンは、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが生み出したキャラクター。第1作目となる小説「小さなトロールと大きな洪水」は、トーベが第二次世界大戦の最中に書き上げた作品で、家を失った者たちや災害、大洪水など過酷な要素が描かれるなか、ハッピーエンドを迎えているのが特徴だ。
トーベは、自身の日記に「第二次世界大戦の重苦しく恐ろしい現実とは異なる、幸せな社会ー別の世界ーを作ることを夢見ていた」と記しており、「ムーミン」の世界はその夢を実現した作品であると言えるのかもしれない。
「ムーミン」小説の出版80周年を記念して開かれる展覧会「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」では、「ムーミン」小説・コミックスの原画やスケッチはもちろん、トーベが描いた初期の油彩画や第二次世界大戦前後の風刺画、さらには愛用品も集結。約300点におよぶ展示品を通して、トーベが創造した世界と、彼女の人生が色濃く反映された「ムーミン」シリーズの魅力に迫っていく。
見どころは、「ムーミン」の小説はもちろん、漫画や絵本、キャラクタースケッチなどを一度に楽しめること。新聞連載漫画「タイムマシンでワイルドウエスト」のキャラクタースケッチや、 同じく新聞連載の漫画「ひとりぼっちのムーミン」のスケッチ、小説「ムーミン谷の彗星」の挿絵、小児病棟の壁画用スケッチ《遊び1》など、ムーミンやその仲間たちを描いた250点以上の作品が集まる。
また、「ムーミン」の世界を体感できる演出も登場。「ムーミン」の小説の印象的な挿絵部分が壁一面に現れる映像演出や、ムーミンたちや一角獣など様々な生き物が行進する幻想的な世界を描いた壁画《フェアリーテイル・パノラマ》の原寸大映像などが楽しめる。この原寸大映像は2面合わせて幅約7メートルの大きさで、まるで「ムーミン」の世界に入り込んだかのような没入体験が可能だ。
さらに、トーベの多方面にわたる作品からムーミンのルーツを辿ることができるのもポイント。独裁者をユーモラスに描いた政治風刺雑誌「ガルム」では、後にムーミン谷のキャラクター、ムーミントロールとして登場する「スノーク」が姿を見せる。
【詳細】
展覧会「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」
会期:2025年7月16日(水)~9月17日(水)
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ 森タワー 52階
※観覧料などについては追って告知
■巡回情報
・北海道会場
会期:2025年10月1日 (水)~11月24日(月・振)
会場:北海道立近代美術館
住所:北海道札幌市中央区北1条西17
・長野会場
会期:2026年2月7日(土)~4月12日(日)
会場:長野県立美術館
住所:長野県長野市箱清水1-4-4
・愛知会場
会期:2026年4月~6月
会場:松坂屋美術館
住所:愛知県名古屋市中区栄3-16-1 松坂屋名古屋店 南館 7F
※会場により、一部展示内容が異なる場合あり。