展覧会「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 ―ベルばらは永遠に―」が、六本木ヒルズ・東京シティビューにて2022年9月17日(土)から11月20日(日)まで開催される。11月30日(水)からは、大阪・阪急うめだ本店にも巡回予定だ。
『ベルばら』として親しまれている池田理代子の漫画『ベルサイユのばら』は、1972年4月から1973年12月まで、少女マンガ誌『週刊マーガレット』(現『マーガレット』)に連載された作品。
無邪気な少女からフランス王妃へと成長を遂げるマリー・アントワネットと、オリジナルキャラクターとして描かれた、女性に生まれながらにして軍人として生きる男装の麗人・オスカル、2人の女性の対照的な人生を、フランス革命を背景に描き出した物語だ。同時に、多彩な登場人物が革命という激動の時代の波にもまれながら、それぞれの運命を生きる大群像劇でもある。
発表当時24歳だった池田理代子による、徹底的な歴史取材に基づいて描かれた壮大なストーリーは、当時の「少女マンガで歴史ものはあたらない」という常識を覆し、連載開始当初からヒットを記録。ファンレターが月に数万通届くほどの人気を博し、少女マンガの歴史を変える不朽の名作となった。
また、1973年の連載終了後、翌1974年に宝塚歌劇で舞台化されるやいなや、空前の『ベルばら』ブームを引き起こし、社会現象に。さらに、1979年にはTVアニメが放映され、フランスをはじめとする世界各国での翻訳・出版も行われるなど、その人気は世界的な広がりを見せた。
さらに、完全新作の劇場版アニメも制作決定。「激しく、美しく、生きた―」をキャッチコピーとして、オスカルとマリー・アントワネットの2人を中心に、フランス革命という激動の時代を生き抜く愛と運命の物語を展開する。映画公開に先駆け、本展ではキャラクターや背景の設定画など、劇場アニメ『ベルサイユのばら』の制作資料の一部も紹介する。
『ベルばら』連載開始から50年を記念して開催される「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 ―ベルばらは永遠に―」では、マリー・アントワネットとオスカルの2人にフォーカス。池田理代子が「必ずヒットさせる」と誓いながら描いた貴重な原画を初公開のものも含めて紹介する。また、本編では描かれなかった秘話や真実を明らかにし、40年ぶりの新刊として話題となった『ベルサイユのばら エピソード編』の原画も公開。池田理代子の作品に込めた思いや、連載の舞台裏がわかるエピソードを交えながら展示する。
『ベルばら』連載期間中も尚、「もっと自分の思い通りに絵を描きたい」とさらなる高みを目指して画の勉強を続けていたという池田理代子。1点1点原画を見ていくと、物語の進展と共に画の筆致も変化していくのが見て取れる。登場人物の心情描写とともに、そのタッチにも注目だ。
原画に加え、オスカルが生涯でただ一度だけ身にまとったドレスを再現展示する。ドレスの制作を手がけたのは、文化服装学院オートクチュール科の学生たち。光沢を備えた絹を用いて仕立てられたドレスには数千個のビーズがあしらわれており、物語の名場面がよみがえるような仕上がりとなっている。
また、宝塚歌劇のコーナーも登場。劇中でオスカルとアンドレが愛を誓いあう名場面「今宵一夜」の舞台となる“オスカルの居間”を再現するほか、舞台衣装や小道具、公演ポスター、衣装のデザイン画などを展示。当初賛否両論が沸き上がる中で舞台化を企画した植田紳爾の作品への思いや、演出を手がけた長谷川一夫による“魅せる演技”の秘訣も紹介。華麗なる宝塚歌劇の『ベルばら』ワールドを、様々な角度から辿っていく。