ヨシオクボ(yoshiokubo)の2025年春夏コレクションが、東京ファッションウィーク期間中の2024年9月4日(水)、東京・新宿のルミネtheよしもとにて発表された。
今季のヨシオクボは、吉本新喜劇と衝撃のコラボレーション。デザイナー・久保嘉男のかねてより夢見てたコラボレーションが、20周年という記念すべき年に実現した。吉本新喜劇お馴染みの曲が鳴り響き、間寛平やすっちー、島田珠代、吉田裕、筒井亜由貴が出演し、いつもの喜劇を繰り広げた。
すっちーと吉田による「乳首ドリル」など数々のネタで観客の笑いをさらうと、ファッションプロデューサーだという島田が、ダブルブッキングによりファッションショーを開催できなくなったと告げる。間が「花月うどんを会場にすればええやんか」と助け舟を出すと、ついにショーがスタート。
今季は、原点に立ち返りつつ、未来を見据えたウェアを提案。ヨシオクボらしくスポーティテイストをベースとしたウェアを多く披露した。曲線が無尽に走り輪を描いているかのようなパイピングを施したウィンドブレーカーは、体操選手がくるくると回転する様子や、ボールという直接的な輪のモチーフをイメージしている。
ディテールや製造工程で高い技術をみせるヨシオクボ。その確かなテクニックは今季も健在で、特にギャザーを細かく寄せ、ボリューム感を創出したビッグシルエットのMA-1&パンツに注目。ギャザーによる陰影も深く、洋服に落ちる影はもちろん地面に見える真ん丸な影までも楽しめる、丸みのあるシルエットに仕上げている。
同じくギャザーの技法を活かしたウェアでは、ミリタリーデザインのシャツやジャケットも登場。ギャザーとキルティングにより、迷彩柄を表現した。その色合いもユニークで、染め方をこだわることで独特の風合いを出したという。
「隠す」ことにこだわり抜いたギミックも必見。ジャケットに配した空気孔の役割を担うジップは、その存在を隠すかのように布を一部かぶせている。また、ジャケットに付いたウェストポーチは、元から備わっているポケットであるかのように見せかけた。
レーシングスーツをそのまま転写プリントしたボディスーツも目を惹く。服を折りたたんだ状態で転写プリントにかけたため、袖部分に空白があるのがポイントだ。
モデルとして、ファッションプロデューサーの島田にスカウトされたすっちーと間もランウェイを歩いた。すっちーは飴ちゃんを配りながら、間は決めポーズを次々と披露しながら観客を沸かせた。なおラストには、間の「会場使用料300万いただきます」のセリフに久保やモデルたちを含む全員がコケる、という完璧なオチ付きで幕を閉じた。