アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。今季の起点となったのは、女性らしさをどのように変化させるか。大きく分けて3つの観点から女性性に向き合っていく。
一つ目のアプローチは、メンズライクな中にフェミニンなディテールを加えること。ブランドのアイコンであるドロップドショルダーのテーラードは、様々なシルエットの変化を繰り返しフェミニンなピースへと昇華する。バックスタイルにブラックのレザーを重ね合わせてティアードドレスが重なっているように見えるジャケット。ブラック地とカラープリントのシフォンをミックスさせて、ワンピースのように仕立てたトロンプルイユジャケットも存在する。
2つ目のチャレンジとして起用されたのは、レザーという一つのマテリアルから女性らしい側面を引き出すことだ。ハードなブラックのレザーライダースに、ソフトな質感のホワイトレザーで仕上げたテーラードをドッキングさせたり、裏地にスエードを使ったバーガンディのドレスを融合させたりして、パワフルなレザーからセンシュアルな魅力を引き出している。
そして、最後の視点となるのは自然界からのフェミニティへのアプローチ。羽を大きく広げた蝶のモチーフをプリントで描いたロングドレスは、タイトフィットでセクシー。ブラックのテーラードに、赤いファブリックをリボンのように重ねて蝶の羽の形を表現したものもある。
ラストにかけては、アレキサンダー・マックイーンならではのクチュールテクニックで自然界とエレガンスを融合。オーガンザに1480個の昆虫モチーフのエンブロイダリーを並べたドレス、グラデーションカラーの糸で刺繍してその先端をフリンジのように伸ばした鳥をイメージしたドレス。どちらも生命力を持った生物を対象としながらも、出来上がったピースはうっとりとするほど美しい仕上がりになっている。