ほとんど毎日何かしらからインスピレーションを受けています。本や映画、ニュースやスケッチなど、インスピレーションは挙げればきりがありません。どこからでもインスピレーションが沸いてくるし、常にキャッチするようにしています。
特に本や映画は大好きで、いつも50冊くらい読みたいもの・観たいものをリストアップしていますし、自宅の常にテーブルの上にもいつも2、3冊の本が置いてあります。旅行にも必ず本を持っていきます。好きなジャンルは様々で、新しいバットマンの映画も楽しみだし、古い映画も、おちゃらけた映画も好きですよ。
異なるイメージを、いろんな風にくっつけたり、ミックスしたりしてカレンウォーカーの世界観が創られています。例えば、発表されたばかりの2012-13年秋冬コレクションではSF小説のイメージにやモッズテイストやビクトリアンな雰囲気をミックスしています。
そんな様々な要素をいつ、どのタイミングでどのようにミックスしていくかがクリエーターの腕の見せ所です。その時に重要なのが、自分のフィーリングを信じること。そうして相反する要素が組み合わされて、それぞれのコントラストがまるでマジックのようにエキサイティングなものを生み出していきます。カレンウォーカーのコンセプトはまさにそこにあります。
誰でも感性は持っていると思います。感性とは、内面からくる声のようなものなのですが、それに気付けるかどうか、それを信頼して前に進めるかどうかが問題です。自分にはそれができたし、そうできるように勉強もしてきました。子どものときから内面の声に自信を持ってきました。
ブランドをスタートしたとき、たったひとりで、資金も100ドルだけ。でも自分のほしいものが売ってなかったから作り始めたんです。それを周りの人々が気に入ってくれるようになって、ブランドとして成長することができました。
自分たちが好きなものだからファンも気に入ってくれます。だから、自分たちがわくわくするもの、魅力的なものを表現したいということだけを考えてクエリエーションを行っています。
本当に「ありがとう」と言いたいです。一般の人がカレンウォーカーのアイテムを身に着けているのを発見するのは本当に嬉しいです。たくさんあるブランドの中からカレンウォーカーを選んでくれて、一生懸命貯めたお金で買ってくれるのですから。今回泊まっているホテルでも、偶然オーストラリア人のファンの方にお会いして、その方はカレンウォーカーのサングラスをしていたんですよ。とても嬉しかったです。
ポップアップ初日の夜にはレセプションパーティーが開催され、多くのファンが集まった。彼らと記念撮影に応じたりおしゃべりを楽しむカレンの表情からは、ファンへの愛情がにじみ出ているようだった。
Interview & Text by Hamae Yamamoto