パリで発表された、ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)の2013年春夏メンズコレクション「Wild at Heart」。デザイナーの三原康裕が少年の頃に抱いたライダースジャケットへの憧れと、それを着る事で得られた穏やかな心情がテーマになった。
ランウェイのバックに描かれたのは、日本人アーティストのイノウエジュンの作品。ストイックな服作りに込められた心情を代弁するかのようなその情熱的な表現は、スーツやシャツ、そしてモデルの体までをもキャンバスにした。
ベーシックな服のデザインに、バラバラに分解されたライダースジャケットのピースをひとつずつ当てはめていくことで、服に新しい表情が生まれていく。ストレスをかけずに作り上げた、しなやかでぬめりのある質感のレザーがシックでゴージャスでクールなスタイルのポイント。高密度コットンやポリエステル、リネンといった、乾いた風合いに仕上げた素材と組み合され、オリジナルなモードをつくりあげた。
解体されたバイカーやレーサーのモチーフはアクセサリーにも登場し、コレクションの随所でその存在を主張する。トラディショナルなオックスフォードシューズにはマン島TTレースに由来する「8」の刺繍がほどこされ、カットオフされたバイカーブーツにはバイクのクラッチパッドが縫い付けられている。日本のアクセサリーブランド「ジャムホームメイド(JAM HOME MADE)」とコラボしたアクセサリーもハードなチェーンがモチーフだ。