パリで発表された、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2013年春夏メンズコレクション。「吹けば飛ぶような、風になびく服」をテーマに、社会の規範に縛られず自由な考え方で世界中を巡り歩くことができる、そんな軽やかな服が提案された。
光が透けるほど薄い生地のギャザーパンツやドルマンスリーブのジャケットは、歩くたびに風をあつめてなびく。それはまるで、気の赴くままに流浪するボヘミアンのよう。
テーマに共鳴するように登場したのが、ヨウジヤマモト流アイビールックだ。規制概念にとらわれない自由な考え方を主張した1960年代の若者のスタイルを新解釈し、スリムなシルエットの中にも風を感じさせる新しいスタイルが誕生した。ほどよいゆとりを持った小さめのシルエットのジャケットやパンツ。ボタンダウンシャツから伸びた紐は、歩くたびにジャケットの上で軽やかに跳ねる。
また、ろうけつシノワ染めのシリーズがフィナーレに登場した。中国の古い図柄を、美しいインディゴブルーの色調の上に、新しい柄の組み合わせで再構築した、オリジナルのトライバル柄プリント。確固たる自分を持ちながら、風のように人生をゆく放浪の民への憧れが、そのスタイルには表れていた。