1979年、ブランドとしてのトッズがスタート。
トッズ(TOD'S)はイタリアの高級ファッションブランド。メインアイテムとしては、靴、バッグが人気だが、ミラノ・ファッション・ウィークに参加、ウェアも含めてトータルで展開している。
イタリアのデッラ・ヴァッレ(Della Valle)家が、1920年代にシューズの製造をスタート。徐々にビジネスを拡大。現在でもDella Valle家のファミリー企業となっている。もともとDella Valle家の経営するEMA社という社名だったが、トッズに社名変更している。
1979年、底に133個のゴム突起を付けた1枚革のモカシンを売り出す。これは非常に軽快でフィット感のあるもので、ヨーロッパを中心に支持を集める。これがブランド「トッズ」としてのスタートとなった。
トッズの靴の特徴は、多くの工程を経て生産される。多いものでそれは120の工程を要する。品質のチェック、サンプルを実際履いてもらい、それが履き心地の良いものかなど、チェックを繰り返す。トッズグループの成功の要因の一つに、手作りの職人的な手法をキープしつつ、より効率的に生産ラインを組み立てたことが上げられる。
靴、バッグともに、基本的にトッズのコレクションは正統派で、機能性とそれを失わないレベルのモダンなデザインが特徴。アズディン アライア、ジャンフランコ フェレ、クリスチャン ラクロワ、ロメオ ジリ、カルバン クラインなどとライセンス契約を結び靴を供給していたこともあったが、現在は特別な例外を除いて、トッズのブランドに集中してデザインを展開している。
1997年、バッグのラインをスタート。日本では97年、新宿の伊勢丹に始めてショップをオープン。3日間で400足以上のの靴が売れた。事業を順調に拡大し、現在はホーガン(HOGAN)やフェイ(Fay)もグループに加えている。
2001年、自動車で有名なフェラーリとコラボレーションで「トッズ・フォー・フェラーリ」というプロジェクト行った。2004年には、表参道に、けやきの樹をモチーフにした世界最大級のブティックをオープンした。2005年、ヴィジュアルアーティストのマイケル・ロバーツとコラボで彼の作品をプリントしたウエッジソールの靴などを発表。
2006年、デレク ラムがクリエイティブディレクターに就任。ラムは靴やバッグのデザインはもちろん、トッズでは初めてとなるプレタポルテの部門を、2006S/Sから立ち上げている。(また、デレク ラムもトッズと契約し、自身のブランドでアクセサリーラインを立ち上げた。)
2012年9月までの契約でデレク ラムの辞任を発表。2013年、ウィメンズコレクションの新クリエイティブディレクターにアレッサンドラ・ファッキネッティ(Alessandra Facchinetti)を起用することを発表。2016年5月、クリエイティブディレクターのアレッサンドラ・ファッキネッティが同職を辞任。メンズ コレクション クリエイティブ・ディレクターのアンドレア・インコントリが退任。
2019年、クリエイティブ・ディレクターにヴァルター・キアッポーニ(WALTER CHIAPPONI )が就任。
また、トッズグループ(Della Valle家)は2007年、エルザ スキャパレリを買収して傘下に抱えている。
2023年7月、ヴァルター・キアッポーニがクリエイティブ・ディレクターを退任。
ヴァルター・キアッポーニは、1978年 ミラノ生まれ。ヨーロッパ・デザイン学院で学んだ後、1990年代後期にファッション界にデビュー。パリのジバンシィでの在籍期間を経て、2007年にイタリアに戻りヴァレンティノ、グッチ、ミュウミュウ、ボッテガ・ヴェネタなどのブランドでキャリアを積んだ。2023年7月、クリエイティブ・ディレクターを退任。