ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(Givenchy by Riccardo Tisci)の2013年春夏メンズコレクション。南イタリアのカトリックの家庭で生まれ育った、クリエイティブ・ディレクターのリカルド・ティッシ。今回はそんなルーツを振り返り、宗教心とバウハウス、そして再構成された聖母(マドンナ)のイコノグラフィー(図像学)というコンセプトをミックスさせたコレクションが完成した。
カラーパレットはモノトーン、ライトピンクをベースに、鮮やかな赤をポイントに用いられた。コレクションを象徴するのはマドンナのアイコンシリーズ。CGの技法を駆使し、ぼかし、水彩画、エックス線を重ねたような柄の中に、マドンナが気高い表情をのぞかせる。
テーラードアイテムやチュニックは、天使のようにピュアでクリーンなシルエット。スクエアなカッティングやパターンを重ねることで、バウハウス的な雰囲気を表現した。
素材もサテンやオーガンザ、プリントを施したジャカードに同じ柄のシルクシフォンを重ね合わせたオリジナル生地で、センシュアルなムードを演出。日本製の高密度なウールやコットンにシアーなシフォンをレイヤードすれば、歩くたびにゆれ動いて、まるで3Dのような立体感が浮き上がってくる。
クチュールの技術に、繊細な感性とクリエイティビティが共鳴して生まれた、ロマンティックなコレクション。