パリのメンズファッションウィークで発表されたカラー(kolor)の2013年春夏メンズコレクション。2度目のパリでのショーは、冷たさを感じさせるアイスブルーのルックからスタートした。ひとつひとつのルックに様々な色を使いながらも、まとまりのあるコーディネートを完成させているのが印象に残る。シックなカラーパレットの中で、鮮やかなオレンジがいきいきとしたアクセントになった。
今季も素材の質感と組み合わせで魅せるデザインを提案。デニムは製品をエコ・ブリーチという手法でインディゴの色を落とし、それぞれが違う表情を見せる繊細な仕上げになっている。高収縮糸を使ったカットソー素材は、ハリのあるユニークな質感がポイント。切りっぱなしで軽いシルエットに仕立てる一方で、ジッパーやグログランリボンを使った重さを感じさせるディテールでバランスをとった。縦シワが独特なナイロンコートは、シャリ感がすがすがしい。"ペーパークロス"と名付けられた紙のようなテクスチャーのコートには、まったく異なる質感のウエットスーツ素材の襟で遊び心を加えている。
シャツ地をラミネート加工した生地のコート、裾にドローストリングをつけたポロシャツ、衿にクッションを入れたジャケットやカットソーなど、様々な工夫に加えてエレガンスを忘れないのはこのブランドならでは。カーディガンのフロントの裏側をテーラード仕立てにしたり、シャツやスウェットの生地をシルケット加工で繊細な光沢を出したり、さりげなくドレスアップした印象に。スポーティーなメッシュ地からも、つややかなキュプラの裏地がうっすら透けて、奥行きのある表情を醸し出した。
細部にいたるまでこだわりが秘められた、大人の男性のためのエレガントなコレクションだ。