2012年7月28日(土)、山本耀司らを始め、数々のデザイナーを輩出してきた文化服装学院が「ファッションフェスティバル2012」を開催した。毎年行われるこのイベントはオープンキャンパスとして、在校生によるファッションショーや卒業生によるトークショーなどが行われ、多くの入学希望者や来場者たちでにぎわう。
高校生を対象としたコンテスト「ファッションデザインアワード2012」では、1700点以上もの高校生のデザイン画から選ばれたファイナリストたちのデザインが、在校生らのサポートにより作品として完成された。それらの作品から、『装苑』編集長の片岡朋子や、スタイリスト、デザイナーなど6名の審査員による審査を経て選ばれた受賞者の発表と表彰式が行われた。受賞者発表の後に行われたファッションショーは、モデル、ヘアメイク、映像など演出まですべて在校生が手がけ、各々の作品をランウェイで披露。
午後に開催されたトークショーでは、「ファセッタズム(FACETASM)」のデザイナー落合宏理、スタイリスト高山エリ、ファッションディレクター・スタイリスト山口壮大といった、現在のファッション業界で活躍中の卒業生をゲストとして迎えた。
落合宏理は、自身の在学中に出会った仲間たちや、卒業後の活動、ザ・コンテンポラリー・フィックス(THE CONTEMPORARY FIX)オーナー吉井雄一との出会い、2011年10月に行われた初めてのショーについてなど対話形式で、教室いっぱいに集まる聴講者にざっくばらんに語った。トークショー終了後、自身のブランドを立ち上げてからの苦労をどのように乗り越えたのかを尋ねると「ポジティブなので、辛いのですが、勘違いするしかないというか、楽しんでいた。苦しむことを楽しんでいれば問題ない。知り合いもすごく増えるし、チャンスやきっかけもくれる、それをどう自分で活かすか、そういうふうにしてやっていた。」と答えてくれた。そんなブレイクまっただ中の落合宏理らによるトークショーは、ファッション業界を目指す来場者にとって貴重な時間となっただろう。
また校内では、在校生たちの卒業制作や、過去の作品、デザイン画の展示に加え、学生たちによる手芸の実演、各コースについての説明なども行っていた。体験コーナーでは、グラフィックプリントを用いたオリジナルのTシャツ作りなど、プリント機器の実演を見ながら挑戦できる企画も。入学希望者はもちろん、ファッションに興味のある人たちへ、服作りの楽しさを伝える活気あるイベントとなっていた。