「70~80年代ファッション」にクローズアップ。“リバイバルブーム”という言葉がファッション界で飛び交っている近年、過去のテイストを取り入れた着こなしが注目されている。本記事では、「70~80年代ファッション」を各年代に分類。それぞれの時代の特徴を振り返りながら、“現代風”にアレンジした着こなし術を紹介する。
60年代のヒッピーファッションなどの流れを継ぎながらも、70年代はさらなるファッションの多様化を迎えた時代。イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)やケンゾー(KENZO)など、日本人デザイナーが手掛ける、これまでにない個性を発揮したファッションブランドもこの頃に誕生した。
世界的なムーブメントとしては、伝説的なロックバンド「セックス・ピストルズ」が大流行。彼らの衣装を手掛けたヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)が火付け役となり、過激なデザインのパンクファッションも一躍ブームとなった。
これらの時代の特徴を踏まえたうえで、「70年代ファッション」に挙げられるキーワードは3つ。その特徴と共に、“現代風”着こなし術もチェックしてみて。
60年代に流行したヒッピーファッションを踏襲し、ボヘミアンなスタイルが流行。中でも膝下がゆったりと広がった「ベルボトム」は、エフォートレスなスタイルで、多くの女性に愛されていた。
レトロなムードの強いベルボトムは、その特徴的なシルエットを強調しすぎないことがポイント。着丈が長めの白シャツとスタイリングすれば、クリーンなムードに引き寄せることが出来る。
70年代の人気パターンは「花柄」。中でも、当時の自由で開放的なファッションを象徴するかのような、大ぶりな花びらで咲き誇る華やかなフラワーモチーフが多くみられた。
レトロなムード全開の“大ぶり”な花柄ワンピースを、今風に着こなしたいときは、カラーを意識してみて。例えばワンピースにあしらわれたフラワーモチーフと、フットウェアのカラーを統一するだけで、レトロなムードを緩和させた、クリーンな印象に引き寄せてくれる。
別名“ロンドンブーツ”とも呼ばれたロックテイストの厚底ブーツが流行ったのもこの頃。ベルボトムと合わせたスタイリングが当時若者の間で人気を博した。
現代でも人気の厚底ブーツは、デザインに拘って周りと差をつけたいところ。おすすめは、パンクファッションの金字塔 アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)のグレーのモデル。幾何学模様がランダムにあしらわれているのかと思いきや、抽象的なパターン入りのテープをぐるぐると巻きつけたパンキッシュな一足となっている。
1980年代を迎えると、パープルやグリーンといった原色やグリッターカラーなど、派手で煌びやかな色彩が人気に。また“バブル”を迎えた日本では、ディスコやミュージックビデオから派生したボディコンシャスなシルエットのワンピースが女性たちの間でブームとなった。コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)やヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)といった「DCブランド」が流行したことも影響し、ビッグシルエットのアイテムも流通していった。
それでは、80年代もいくつかのキーワードと共に、当時のファッションの特徴とその着こなし術を紹介していこう。