アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2012年秋冬メンズコレクションのショートフィルムが公開された。メンズでのコレクションフィルムは、これが初の作品となる。
ロンドンでアートディレクターとして活躍するマーロン・ルバーグ(Marlon Rueberg)がディレクターを務め、音楽は1960年代のブリティッシュ・ロックバンドを代表するザ・キンクス(The Kinks)の元メンバーであるジョン・ゴスリング(John Gosling)が手掛けている。
このムービーに登場する2012年秋冬コレクションのインスピレーション源は、ヴィクトリア朝時代のイギリス。少将や領主、政治家など、当時のさまざまな紳士たちを彷彿とさせるフォーマルスタイルを現代的に提案した。
アレキサンダー・マックイーン 2012年秋冬コレクションより
モノトーンのカラーパレットを中心に、黒みがかったブルーやレッドが華やかさをプラス。光沢が美しいベルベットやシルクを多用しグラマラスな魅力を放った。プリンス オブ ウェールズやピンストライプなどの伝統的なパターンのほか、フェザープリントやサテン刺繍で描いたバラなどバリエーション豊富な柄が展開されている。
特徴的なルックは、肩のラインがシャープなジャケットと、オーバーサイズのコート、そして当時ゴルフなどで着用されていたプラス フォーズというパンツの組み合わせ。このパンツを取り入れることで、膝下のコーディネートの幅を広げ、さらに秋冬のレイヤードスタイルを軽く仕上げてくれる。また、コルセットのようにS字にくびれたジャケットが斬新。ダブルボタンをしっかり留めて、ラインの美しさを楽しみたいアイテムだ。
そして今シーズンから、サヴィル・ロウの老舗テーラー、ハンツマン(Huntsman)とタッグを組んだオーダーメイドサービス「HUNTSMAN FOR ALEXANDER MCQUEEN SAVILE ROW」が展開されている。これは、サヴィル・ロウで仕立ての技術を磨いた創始者のリー・アレキサンダー・マックイーンのルーツに着目しておこなわれているもの。本コレクションに登場したディナージャケットやブラックのカシミア製コート、プリンスオブウェールズチェックのダブルスーツなどの一部商品が、ロンドンのボンドストリートにあるフラッグシップショップでオーダーメイドで提供される。