ジェイソン ウー(Jason Wu)の2013年春夏コレクションは、ソフトでありながらエッジを効かせた強烈なフェミニンルックとともに、デザイナージェイソン・ウーの服に対する信念を強く反映した。
テーマは「誘惑と無邪気」。ジェイソンが挑発的でエロティックな魅力に満ちあふれた作品で有名なヘルムート・ニュートンと、対照的にソフトで夢のような作品で知られるリリアン・バスマンの写真に強く突き動かされ、2つの相反するスタイルをレザーとレースやシフォンを組み合わせることなどにより融合した。
クロコダイルのレザーにコルセット風のレースがあしらわれたドレスでショーがスタート。フェミニンで美しいフォルムを最大限に強調するために、ベースとしてレザーなどのエッジの効いたアイテムに、カラーはブラック、ホワイト、ネイビーといった控えめな色を使用し、差し色にピンクを加えた。
多数登場した透け感のあるアイテムは、服をあえて透明にすることでフェミニンさとともに、職人技によって作り上げられたディテールを強調。また服は内側も外側と同じく美しくあるべきというジェイソンの思いがこめられている。
コレクションのテーマはアクセサリーにも貫かれた。フェミニンなヒョウ柄やレースと、ソリッドなフォルムや金具を組み合わせたハンドバッグが登場。レースのパンプスはヒールをクリスタルで飾られ、パテント・レザーのパンプスのアンクル・ストラップには真珠が埋め込まれていた。
ショーの最後に登場したのは空気のような軽さを追求したイブニングドレス。ネイビーの多層チュール・ドレスのランダムに散りばめられた星と、ヌードのシフォンブラウスに刻まれた複雑な刺繍は”宇宙”を感じさせ、ロマンチックなジェイソンの世界観を最大限に表現していた。