20世紀初頭に天才と謳われた絹のテキスタイルデザイナー、マリアノ・フォルチュニィ。彼の作品と、古今東西の名作絹織物を集めた展覧会、「巨匠(マエストロ)フォルチュニィの夢 2012絹(シルク)見聞録」が神戸ファッション美術館にて開催される。会期は、2012年10月18日(木)から2013年1月8日(火)まで。
古代より類まれなる貴重性、優美性、機能性に優れていたことから、特別に寵愛された天然素材、絹。時には、世界経済を揺り動かすほどの絶大な価値を誇っていた絹の美しさを最大限に活かしたのが、20世紀初頭ベネチアに登場した天才デザイナー、マリアノ・フォルチュニィだ。彼は画期的な絹のテキスタイルが生み出し、当時世界的名声を得ていた。本展では今日の2012年にフォルチュニィが生きていたらと仮定し、彼が目指した絹世界を構築。そして巨匠の仕事の全貌に迫ることを試みた。
誰よりも絹にこだわって研究を重ね、絹の巨匠と呼ばれたマリアノの作品、そして彼の審美眼に適った18世紀から現在までのヨーロッパ、インド、インドネシア、中国、日本などの古今東西の名作絹織物を集結させた、巨匠の夢の集大成と言えるような展覧会だ。
また、関連展示として、日本を代表する絹織物産地の一つである京都の丹後織物工業組合提供の絹地を用いて、神戸ファッション専門学校が製作したウエディング・ドレスを紹介する。10月20日(土)、11月10日(土)、12月15(土)の3日間には14:00~の約30分間、当館学芸員によるギャラリートークも開催。※申込不要
【アーティストプロフィール】
マリアノ・フォルチュニィ(Mariano Fortuny) 1871-1949
スペイン生まれ。1890年にイタリアのベネチアに移住した後は、ほとんどを同地で過ごし、画家、写真家、彫刻家、舞台美術デザイナーとして多方面で活躍。舞台衣装を手がけたことから服飾にも関心をもち、1907年頃、絹サテンにプリーツをほどこしたドレス「デルフォス」をデザインする。古代ギリシアの衣装に着想を得たこのドレスは、素材そのものが装飾を兼ねるという画期的なものであった。マルセル・プルーストが小説『失われた時を求めて』の中で、彼のドレスに繰り返しオマージュを捧げていることでも知られる。伝説として語られるこのプリーツと絹ベルベットにステンシルプリントのテキスタイルこそが彼の最高の発明品。
【開催概要】
巨匠(マエストロ)フォルチュニィの夢 2012絹(シルク)見聞録
期間:2012年10月18日(木)~2013年1月8日(火)
会場:神戸ファッション美術館
神戸市東灘区向洋町中2-9-1
TEL:078-858-0050
時間:10:00 - 18:00(入館は17:30まで)
休館日:水曜日、年末年始12月29日~1月3日
入館料:一般¥500 小中高65歳以上¥250
※当館へ入館の方は「神戸ゆかりの美術館」を無料で観覧できる。
※「小磯記念美術館」へは入館券の半券提示により団体料金で入館できる。
※上記料金で特別展示とベーシック展示の両方の観覧が可能。
http://www.fashionmuseum.or.jp/