ディオール(DIOR)が、モロッコ・マラケシュで発表した2020年リゾートコレクション。相互理解の基盤となる「コモン・グラウンド」という思想がテーマになっている。
舞台は、ムッシュ ディオールの最初の後継者イヴ・サンローランが愛した場所、マラケシュ。メゾンにとって特別な場所で行われたショーでは、特別なピースが誕生している。
一つはコレクションの象徴となる「アフリカン ワックス」。マリア・グラツィア・キウリは、コートジボワールにあるユニワックス(Uniwax)の工場とスタジオとのコラボレーションによりオリジナルのテキスタイルを作成。
生地を織る際に、トワル ドゥ ジュイやタロットモチーフなど、マリアが大切にしているディオール コードを緯糸に織り込むことで、アフリカンカルチャーとパリのエスプリが効いたスペシャルなデザインを完成させた。
豊かな大地が生んだ自然や動物たちをモチーフに大自然のパワーを表現したテキスタイルは、サンドカラー、インディゴブルー、灼熱のレッドオークルなど様々なパレットで彩られ、ドレスとなりコートとなりコレクションに登場している。
アフリカンカルチャーを強調させたヘッドピースは、帽子職人とタッグを組み生み出したもの。帽子デザイナーのスティーブン・ジョーンズが、マーティン・ヘンリー(Martine Henry)とコラボレーションし、ターバンを作成。
ヘッドウェアで頭部を飾ることは、品格と洗練のシンボルを意味しているという。
ディオールアイコンピース「バー」ジャケットは、2人のアーティストによって再解釈。
1940年代に愛された細いウエスト、すそ広がりのスカート、優しいショルダーラインの“ニュールック”は、アフリカ系アメリカ人のコンテンポラリーアーティスト、ミッカリーン・トーマスと、LVMHプライズのグランプリ受賞者グレース・ウェールズ・ボナーの視点を通してモダンに生まれ変わってる。
シックなブラックのボディに映えるのは、大自然のパワーを感じさせるレッドオークルの装飾。きゅっと絞ったウエスト下に配されたポケット、そして細身なアームの袖口にあしらわれている。