ミラノファッションウィークで発表された、ジル・サンダー(JIL SANDER)の2013年春夏コレクション。前シーズンにラフ・シモンズがクリエイティブディレクターを辞任し、今シーズンよりブランド創立者であるジル・サンダー自身が再びデザインを手がけている。
6月に発表されたメンズコレクションに引き続き、ウィメンズコレクションの復帰第1弾となった注目のコレクションは、真っ白なランウェイを舞台に披露された。構造主義のアートからインスパイアされ、ロケットのような縦長のスタイルがメイン。ゼロにリセットされたようなフレッシュなシルエットだ。
丸みを帯びた彫刻的なフォルムやテーパードシェイプ、スイングする膝丈スカートは、ピュアでハリのある素材を使用することによって、エアリーな立体感とフィット感を実現している。ボリュームのあるフロントとスリムなバックスタイルの対比もおもしろい。
終盤に登場した、ラバー加工のドット柄のアイテム以外すべて無地で、ワントーンまたはツートーンでルックを構成。ブラックとホワイト、ミッドナイトブルー、ラスティアイアン、リキッドクリーム、ファイアーボールの洗練された色彩の力がシルエットを際立たせる。そこには、透明感のある、シンプルでクリーンなサンダーの美意識が集約されている。