ヴァレンティノ(VALENTINO)の、2020年リゾートコレクションを紹介。

ローマの持つ多様な雰囲気

2020年リゾートコレクションでは、ヴァレンティノのベースでもあるローマの雰囲気を表現。ロマンティックな空気や華やかさと、退廃的な雰囲気を併せ持つ、ローマの多様性をコレクションに投影した。

ヴァレンティノのジラフパターンやVプリント

都会的なロマンティシズムの表現の中に取り入れたのは、ヴァレンティノの過去を辿るアーカイブパターンだ。ダイナミックなジラフモチーフは、生地の分量をとって仕立てたエレガントなガウンコートやワイドパンツ、ストールなどに投影され、ラグジュアリーな雰囲気とネイチャーの空気感を兼ね備えた仕上がりに。

ヴァレンティノの“V”を連ねたパターンも印象的だ。黒×白のモノトーンでまとめたミニドレスは、反復された“V”の文字が幾何学模様のようにスペクタクルな要素をもたらしている。大きさの異なる“V”のパターンを組み合わせたジオメトリック柄のコートは、レトロな雰囲気の中に幻覚のような鮮やかさを見せる。

多様な花の表現

また、多様な花の表現にも注目したい。生地をたっぷりと使用し、繊細なギャザーと波打つようなフリルでフェミニンに仕立てた、シアーな透け感のドレスには、裾や袖口に紫の花々を上品に描いた。また、模様を組み合わせるようにして、ドレス全面に多彩な花柄を刺繍したドレスや、大胆に大柄の花をあしらったミニドレスなど、幅広い表現の花柄が見て取れる。

スパンコールやビーズ刺繍が繊細に施された、黒地のクラシカルなドレスが登場したかと思えば、生地の隙間を埋め尽くすかの如く快活に咲く様子を描いたデイジープリントのブラウスやパンツも展開。デイジーが群生して揺らめいているかのようなプリントのセットアップには、フェザーを配したカーキのサファリジャケットを合わせ、ワイルドでラグジュアリーなアクセントを効かせた。

優雅な縦長のシルエット

シルエットは、下に重心を置いた縦長のシルエットが散見された。緩やかに広がるケープや落ち感のある素材で仕立てた赤1色のロングドレス、シースルーの軽やかな布地で空気を含むように仕立てたプリントドレスなど。マーメイド柄のシャツドレスは、プレーンなフォルムで柄のファンタジーなイメージを引き立てる一方、Vロゴのベルトでウエストマークしたブラックドレスは、黒の持つシックなムードが、ドルマンスリーブや後ろに配したスリットの優雅さを際立たせている。