Y's(ワイズ)は、伊ファブリックブランドのアルカンターラとコラボレーションしたカプセルコレクションを、2019年5月25日(土)に、表参道ヒルズ内スペースオーにて発表した。また、このショーの直前に、「ZENTHE」コレクションが発表された。
2014-15年秋冬コレクションに続いて2回目となるY'sとアルカンターラのコレクション。Y’sの「何者でもなく新しい、日常にある、唯一の服」という永続的なテーマと、2019-20年秋冬コレクションのテーマである「FUTURE」の両方をコンセプトに、クラシックさと未来的な表現を織り交ぜたピースが展開された。
アルカンターラ独特のハリ、触感のファブリックを採用することで浮き彫りになるのは、Y'sの仕立ての柔軟性。服として仕立てられることで、生地と造形がシンクロし、生地そのものの特性が生き生きと表れている。また、従来のY'sのピースとは表情の異なるダイナミズムが生み出されているのも印象的だ。
目を引いたのは、フューチャリスティックで宇宙的なイメージと、インダストリアルなムードを漂わせるシルバーのファブリック。前身頃に大きくポケットを配したアクティブなジャケットや、ダイナミックなフォルムのフードにホワイトのファーを配したオーバーサイズのコート、襟にブラックのボアを合わせ、マニッシュに仕立てたトレンチコートなどは、立体感のある仕立ても相まってソリッドな存在感を放つ。
レザーのような質感のブラックの生地は、ドレープを生かした前後非対称のジャケットや、身体を丸ごと包み隠すフーデッドコートに採用。マットな光を放つ独特の光沢感が、落ち着いた静けさと、ミステリアスな雰囲気を演出する。
また、シワ、パッチワーク、ダメージ加工、キルティングなど、服を仕立てる“手触り”を感じられるディテールも特徴的。
前面にキルティングを配したホワイトのロングコートは、襟や裾、ウエストに無骨な紐があしらわれていたり、フードに施されたファスナーを開くと大きな襟になったりと、変形可能な1着。身に着けることで、シェルターの中にいるような安心感を感じさせる。コーディネートには、マスタードイエローにカラーリングされた、ドクターマーチン(Dr.Martens)のコラボレーションブーツが組み合わせられた。
シワを施したコートは身体に沿うようにして、身頃が大きく開き、流れるように滑らかなパターンメイキングが身体と呼応しているのがわかる。また、ボリュームのあるカーキのウールドレスには、紐を格子状に編み込んだネット状のワンピースをレイヤード。重ねたワンピース同士が連動し、同様のシルエットを描いている。