ヨーク(YOKE)の2019-20年秋冬コレクションが発表された。
2018-19年秋冬コレクションにデビューを果たしたヨーク。ブランドが提案する、モダンでベーシックなスタイルは、2019-20年秋冬コレクションでも健在だ。
素材やパターンに拘ったアイテムたちは、上質で洗練された佇まいでありながら、日常のワードローブに備えておきたくなるような、どこか親しみやすさのある絶妙なニュアンスを体現している。
ブランド名のヨークは、“繋ぐ”という意味を持つ言葉。2019-20年秋冬コレクションのルックを眺めていると、あらゆる点でこの“繋ぐ”という言葉を想起させるような場面に遭遇する。
例えば、コレクション内に登場するアイテムの多くがユニセックスで着用可能であること。従来、メンズとウィメンズの間に線引きされていたアイテムの境界線を無くし、2つの性別を繋いでいる。トップスやパンツ、ジャケットをお互いにスイッチしてもコーディネートが成立する男女が並んだルックは、ヨークが提案するユニセックスなスタイルを分かりやすく表現している。
パターンにも“繋ぐ”要素が散見される。パーカーでは、一枚の布を型に沿って切り取るのではなく、ボディ、スリーブ、ポケットなどのパーツをパズルのようにあてはめた跡が服の上から見て取れる。各パーツの境目のパイピングやステッチは、ミニマルなルックスのアクセントとしても機能するディテールだ。
また、2019-20年秋冬コレクションは、ドイツのテキスタイルデザイナー、アンニ・アルバースの作品から着想し、糸の絡み合い方によって図柄を生み出したピースが多数登場する。
ニットのダブルジャカードで織られた、立体感と豊かな表情を持つガンクラブチェックやヘリンボーンツイードはその好例。ガンクラブチェックは、3色の番手や組成の異なる糸を組み合わせて、ヘリンボーンは2種類の糸とネップ糸を使い分けて仕立てている。
ニットのボディにはウールとセブールの混紡糸をメインに、部分的にポリエステルの糸を使用することで、素材による質感の差を演出。パーツを繋ぐリンキングにはコットンの糸を用いて、3種の糸で1着を作り上げた。