ニール バレット(Neil Barrett)の2013年春夏コレクションは、シルエットや生地、アイテムなどあらゆる要素にコントラストを効かせて構築された。
コンパクトなジャケットにドラマティックなワイドパンツを合わせたスタイリングが体現するように、シルエットにはスレンダーなラインと構築的なボリュームとをコンビネーション。また、マスキュリンな雰囲気の中にほのめかされるデリケートなフェミニティが中世的な魅力を生み出しているのも特徴だ。シャープな印象のタキシードのインナーには、タイトフィットなシースルーのトップスを選ぶ。そして一般的にメンズウェアに使用される素材を取り入れ、女性的な官能性をはっきりと際立たせた。
また、肩にジャケットが掛かっているように見える仕掛けを施したジャケットや、コレクションの随所に表れる変形型のストライプと抽象的パターンは、洗練されたストイックな印象のコレクションに遊びと余裕を加えている。
カラーはブラックとホワイトのベースに、気品溢れるテラコッタとジェイド(グリーン)を合わせて控えめにまとめた。ハンドバッグは建築からインスピレーションを得て、プレシャススキンで幾何学的な配列を表現。シューズはヒール部分がトロンプルイユになっており、異素材やカラーブロックも効かせた技ありの一足だ。
対象的な要素を幾重にも織り交ぜながらも、完成されたコレクションは凛としたミニマルな美しさに溢れている。