ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)は、2020年春夏メンズコレクションを発表した。
今シーズンのコレクションで表現されたのは、異なる生き方・多様性の自由と、大胆な活動家のスピリット。中でも象徴的なのは、アメリカの作家であり環境問題専門家であるジョナサン サフラン フォアの、気候危機に関する小説から着想を得た「ウィー アーザ ウェザー(We are the Weather)」のカプセルコレクションだ。
「ウィー アーザ ウェザー」のシンボリックな太陽モチーフは、ニットウェアやトートバッグにダイナミックにあしらわれることで存在感を発揮。その他にも、総柄プリントのショートパンツや、ストライプ地と切り替えたシャツにも太陽モチーフを登場させ、メッセージを印象付けた。また、小石を組み合わせたポップな「エコウィアドー」グラフィックのカットソーや、テキストとともに地球モチーフを編み込んだニットなど、芯の強いメッセージをキャッチーなモチーフに昇華させ、ユーモアに溢れたデザインへと落とし込んでいる。
地球の表面を思わせる、鮮やかなグラフィックは、アクティブなジャンプスーツやコート、パンツにプリント。ウエストにドローコードを配したスポーティーなデザインのプリントパンツには、ライトなカーキのシャツ、ざっくりとした大きなバッグ、新たなロゴを配したウォーターボトルホルダーを合わせて、活動的な着こなしを提示する。
また、フロントにメッシュのポケットを配したアノラックやDリングが光るカーゴパンツ、タイダイのセットアップ、ブリーチ加工を施したデニムジャケット、ステラ マッカートニーのリサイクルロゴをあしらったハイキングブーツ、ポップなカラーを配したリサイクル可能なスニーカー「ループ」など、自然の背景が似合うアイテムが勢揃い。描き出されるのは、自然を愛する紳士像だ。
端正な仕立てのセットアップも、どこか活発なムードを漂わせている。グレンチェックのテーラードジャケットとトラウザーには、柄を重ねるようにしてレオパード柄を配したり、千鳥格子のセットアップにはグラフィックプリントのカットソーやスライダー、ロゴを配したトートバッグといったカジュアルなアイテムを敢えて組み合わせてみたり。ステンカラーコートのウエストにはベルトを配し、シルエットにメリハリを効かせてアクティブさを演出した。
大胆なアニマルプリントも散見されたモチーフ。水彩画のようなタッチのハンドペイントで表現された馬は、踊っているかのような躍動感と共にシルクシャツやネクタイ、ショートパンツを彩っている。また、メンズの春夏コレクションには初登場となるレオパードプリントは、軽やかなダスターコートやパンツにプリント。独自のフェイクファー「ファーフリーファー」を複写して作った、柔らかさのある表現が特徴的だ。
なお、ブランドコンセプトとも共通する、“エコ精神”と“循環型の未来への希望”が主題となっている今季は、コレクションの64%がサステナブルな素材から構成されている。オーガニックコットン、サステナブルビスコース、ECONYL再生ナイロン、リサイクルポリエステルを採用することで、ウェアにあしらわれたメッセージやプリントをより強調した。