2012年10月16日(火)に発表された、クリスチャン ダダ(CHRISTIAN DADA)の2013年春夏コレクション。インスタレーション形式で発表され、テーマは「SUBSTANCE」。コンセプチュアルな服づくりで知られるデザイナーの森川マサノリからの、「本質は一見して気付かないものなのかもしれない」というメッセージだ。
トレンド、動物性革、刺繍レース、撥水素材、毛素材。これらの素材でできた服を氷の中に閉じ込めて、溶けていく様、解凍した後の素材の変化を発表題材とした。
一見すると氷中にある衣服たちは普段よりも輝きを増し、美しくも見える。だが、透明のバリアは、所有者である人にも触れさせることを冷たく拒む。着られるために生まれてきた、その存在意義を奪われても、まだなお存在する衣服たち。
この氷が解けたとき、衣服はどんな姿を見せるのだろう。氷の中で失っていたものをまた取り戻すのだろうか。それとも、また違う存在へと、生まれ変わるのだろうか。そこに、衣服の本質は見いだせるのか。そんな考えを巡らせながら、衣服自体の価値を問う。