2012年10月16日(火)に発表されたウィズリミテッド(WHIZ LIMITED)2013年春夏コレクションは、「OFF CITY」がテーマ。近代都市や高層ビル群、都会のネオンがイメージソースだ。
新宿で生まれ育ったデザイナーの下野宏明は「これまで新宿という街はあまり好きではなく、渋谷や原宿ばかりにいた。しかし最近になって改めて、自分が生まれた新宿という、若者だけじゃない街を見直してみて、今回のコレクションのイメージに繋がった」と語る。コレクションには、スーツやシャツ、ダッフルコートなど大人っぽいテーラードアイテムが多数登場。そこにウィズリミテッドらしい解釈を加え、エレガントなストリートウェアを作り上げた。
裾が取り払われ、バックに深いスリットが入ったスーツや、ペンキを飛ばしたようなテキスタイルのシャツは、デザイナーのライフスタイルであるスケータースタイルを取り入れている。エプロンがくっついたようなスーツは、スプレー缶を入れるワークウェアをイメージ。単にエレガントなだけではなく、遊び心や若者の反抗的精神をディテールで表した。
カラーは、グレーやネイビーのクールな色合いが中心。ブルーやグリーン、赤やオレンジなどの差し色がアクティブな印象をもたらし、都会の光をイメージしたネオンイエローやグリーンも効果的だ。また、個性的な小物にも注目。ナイロン素材のバッグパックは、リュックよりも小さくライト。スニーカーは、プーマが今回のショーのために特別に制作した。
下野宏明は、なぜテーラードアイテム中心のコレクションなのかという質問に対し「単純に、これまでまったく着たくなかったテーラードが着たくなっただけ。けれど、自分のスケーターやストリートのスタイルは崩さない。服に合わせてライフスタイルを変えるのではなく、自分のライフスタイルがあって、そこに服を合わせる。次はどうなるかわからない」と語った。ブランドの持つストリート精神を新たな形で表現したコレクションだ。