映画『HOKUSAI』が、2021年5月28日(金)に全国公開される。
ゴッホ、モネ、ドガなど、数々のアーティストに影響を与えた日本画家、葛飾北斎。平均寿命が40歳の時代に、享年91歳という長寿人生を送った事でも知られている彼は、代表作「富嶽三十六景」を72歳の時に制作。またその長い生涯を通して、3万点以上の作品を描き残したといわれている。
そんな数々の名作をこの世に送り出してきた北斎だが、彼の<人生>に関する資料は少なく、故に様々な逸話が生み出されてしまったことも事実だ。そこで映画『HOKUSAI』は、数少ない忠実を基に、そのベールに包まれた北斎の人生を独自の視点と解釈によって紐解いていく。
風紀の乱れを正すべく幕府によって風俗が厳しく取り締まられていた江戸時代後期におい て、町人文化を彩った浮世絵もまた規制の対象とされていた。そんな中でも、「俺は俺の好きに描く」と北斎はひとり北極星のごとくブレることなく画狂人生をまい進。表現者としての自由を求めて、筆ひとつで激動の時代に挑み続けた。
『HOKUSAI』では、青年期・老年期に北斎の人生に大きな影響をもたらした2人の人物のエピソードから映し出す「人間・北斎」、そして北斎の手掛けた作品「三つの波の秘密」の誕生秘話が明かされる。
北斎に挑むのは、海外からも高い評価を受ける2人の日本人俳優。映画『誰も知らない』で、第57回カンヌ国際映画祭において最優秀主演男優賞を日本人初、史上最年少で受賞した柳楽優弥が、才能は認められながらも売れない絵師として葛藤の中で筆をとり続けた青年期を演じる。
また、俳優としてだけでなく舞踊家として世界を舞台に活躍する田中泯が、芸術家としての情熱を失うことなく孤独に自らの画才を磨き続けた老年期の北斎を務める。本作で田中は、北斎の自画像を参考に容姿を似せるため、頭を剃るなど、徹底した役作りを見せている。
ファッションプレスでは、『HOKUSAI』でW主演を務めた柳楽優弥と田中泯にインタビューを実施。異なる年代の北斎を演じた2人が考える、本作における北斎像や、現代に通ずるその魅力について話を伺った。
2人の脇を固めるのは、日本を代表する主役級の豪華キャスト陣だ。
蔦屋重三郎役:阿部寛
青年期の北斎を見出した名プロデューサー・蔦屋重三郎は、『のみとり侍』主演の阿部寛が演じる。