映画『宝島』が2025年に公開。原作は真藤順丈による直木賞小説『宝島』で、大友啓史が監督を務め実写映画化する。
真藤順丈による小説『宝島』は、2018年下半期を対象にした第160回直木賞に選出された作品。
舞台となるのは沖縄。まだ沖縄がアメリカだった戦後、全てを失った中で、米軍から物資を盗み住民らに分け与える「戦果アギヤー」という若者たちがいた。オン、グスク、ヤマコ、レイらメンバーはいつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る。その中心人物オンが「予定外の戦果」を手に入れ、突然消息を絶つ...…という本格ミステリーから始まる。
『宝島』は、混沌とした時代を全力で駆け抜けた若者たち‟戦果アギヤー“の姿、グスク、ヤマコ、レイと別々の道に進んでいった若者たちの物語を青春、恋愛、冒険とジャンルミックスに、そして史実も配置しながら繋いでいく。圧倒的熱量と壮大なスケールで描く、エンタテインメント作品に仕上がっている。
「戦果アギヤー」のメンバーであるグスク、ヤマコ、レイは想いを胸に、憧れの存在オンの失踪の謎を追う。
グスク...妻夫木聡
警察官。一縷の望みにしがみつきつつ、英雄オンの痕跡を追う。
ヤマコ...広瀬すず
小学校の教師。恋人オンの帰りを信じて待ち続ける。オンがいなくなり、喪失感を抱えながらも、人に愛情を与えたくましい生きる。
レイ...窪田正孝
オンの弟。ヤクザになった。消えた兄の影を追い続ける。
オン...永山瑛太
‟戦果アギヤー“のリーダー的な存在。全てを懸けて臨んだ米軍基地への襲撃の夜、「予定外の戦果」を手に入れ、突然消息を絶つ。20年の歳月を経て明らかになる、オンの衝撃の真実とは?
主人公グスク役は、沖縄を舞台にした『涙そうそう』でも主演を務めた妻夫木聡、オンの帰りを信じるヤマコ役は広瀬すず、弟レイ役は『るろうに剣心』、『東京喰種 トーキョーグール』の窪田正孝、オン役は永山瑛太がそれぞれ演じる。
妻夫木聡(グスク役)コメント
「沖縄には、未だ続いている問題がたくさんあります。みんなの言葉にならない声を芝居に変えて伝えていくことが、この作品に導かれた僕の使命。この『宝島』をただの映画で終わらせたくありません。人の心を突き動かすことは容易ではありませんが、今を生きる私たちがどうあるべきか、どう生きていくのか、一緒に考えていきたいです」
広瀬すず(ヤマコ役)コメント
「大友監督が、この作品では太陽でいてほしいと仰ってくださったのがストレートに自分に届き、ヤマコはみんなの希望になっていいんだと、全力で演じたいと思いました」
窪田正孝(レイ役)コメント
「脚本の壮大さに驚き、とてつもない大作になると確信した一方、戦争という暴力で蝕まれた琉球の魂の癒やしに、『宝島』が少しでも繋がっていくことを深く願っています」
永山瑛太(オン役)コメント
「大友監督の作品への大きな愛と覚悟を傍で強く感じています。そして妻夫木聡さん、広瀬すずさん、窪田正孝さん、という絶対的に信頼できる役者さんと共に、戦後の沖縄で、彼らが未来をしっかりと見据えて力強く生きた証を作品の中で残せるよう、身も心も大友組に捧げたいと思いました」
真藤順丈(原作者)コメント
「作り手として羨望や嫉妬をおぼえるほどのとめどない現場の熱が、おなじ地平の、おなじ方向へと向かっている。この作品ならきっと、沖縄人たちが死に物狂いで獲得してきたもの、払われた犠牲、暗闇の奥から差しだしてくれている祈りの手を、映画という形でつかみ返してくれるはずです」
監督は『るろうに剣心』シリーズや、沖縄が舞台の連続テレビ小説「ちゅらさん」などを手掛けてきた大友啓史。
大友は『宝島』について、「私たちが記憶の底で、遺伝子の隅々まで忘れてはいけない物語が確実に存在する。戦後の沖縄を舞台に描かれる「宝島」は、まさにそんな類の物語」「諦めるな、何が何でも生きろと、全ての人に問いかけているかのような作品」と語る。
作品詳細
映画『宝島」
公開日:2025年
原作:真藤順丈「宝島」(講談社文庫)
監督:大友啓史
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント