タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)の2020年春夏コレクションが発表された。テーマは“Pollen(花粉)”。
今シーズン、インスピレーションの源になったのは、「生命を次代へつなぐもの」「生命を育むもの」をテーマに制作を続けているアーティスト、ヴォルフガング・ライブ(Wolfgang Laib) の作品群。ヴォルフガング・ライブは、生命の象徴とも言える花粉やミルク、米などのマテリアルを使った作品を生み出しているアーティストだ。その作品は彼の自然への信仰心の深さとも繋がり、ピュアで原始的な強さで、見る者たちを魅了している。
コレクションのカラーパレットは、ヴォルフガング・ライブが作品制作に使用するミルクや米の乳白色、花粉の黄色、宗教的モチーフとして使い続けている金色がメイン。中でもコレクションのテーマにもなっている花粉の黄色は、シアーなブラウスやプリーツスカート、ワンピース、スカーフなどに用いられ存在感を放っている。
ヴォルフガング・ライブが好んで使用する金色のスポットマークは丸い金ボタンに姿を変えて、ジャケットの袖やワイドパンツのサイド部分に施された。このジャケットに採用されたオリジナルテキスタイルは、麻の表情をリアルに再現した合繊素材。形態安定性と防シワ性に優れており、その上ウォッシャブルという優れものだ。
しばしばヴォルフガング・ライブによるアート作品のモチーフとなるライスも、オリジナルファブリックで表現。コットン100%の糸でライスのようなドット柄をランダムかつ繊細に織り上げ、ワンピースやスカートなどに取り入れた。
アーティストのユリヤ・グリャノヴァ(Yuliya Gryaznova)とは、2019年春夏コレクション・秋冬コレクションに次ぐ、3度目のコラボレーション。彼女が描き下ろした幻想的な夢風景を、落ち着きのある光沢感を持ったパウダーストレッチサテンにプリントした。さらにそのテキスタイルに自然な縦ジワを施し、ノースリーブドレスやリラクシングなパンツに起用している。