タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)の2023春夏コレクションが発表された。テーマは、「EXTRA ORDINARY MOMENTS(非日常的な瞬間)」。
2019年に活動の一時休止を発表していたタロウ ホリウチが、アートディレクターとして大平かりんを迎え、待望の再始動。彼女が培ってきた、音楽・映画・アート・東京のファッションシーンから得たインスピレーションと、デザイナー・堀内が作り出す世界を融合させ、“生”を込めた服を展開していく。
再始動後、ファーストシーズンとなる2023春夏コレクションは、太いアナログサウンドをベースに、攻撃的でエモーショナルなサウンドが特徴の「アシッド・テクノ」が着想源。2018年に始動したメンズライン「ティーエイチ(th)」のミニマルなアイテムに、大胆なカットアウトやスリットなどを施すことで、あえて不完全な魅力を忍ばせた。
たとえば、オーセンティックなジャケットはバックを大胆にカッティングして、今季を象徴するような1着に。洗練された雰囲気のロングプリーツスカートは、前部を極端に短くアレンジ。後部にはスリットを施して、艶やかさを感じさせる佇まいに仕上げた。
今季は、春夏らしい透け感のある素材を活かした、軽やかなレイヤードスタイルも特徴的だ。たとえば、切りっぱなしデザインの袖や裾のシャツには、シースルー素材をドッキングすることで、女性らしい印象のワンピースへと昇華させている。
ほどよく肌が見えるリラクシングなブラックニットには、同色の繊細なレーススカートを組み合わせて、ワントーンで統一しながらも奥行きのあるルックを完成させた。
また今シーズンのテーマである”EXTRA ORDINARY MOMENTS”をモチーフにした、グラフィックにも目を奪われる。ニットベストやシャツの前面や背面にダイナミックに描き、コレクションにプレイフルなムードをもたらしていた。なおこのグラフィックは、ニューヨークを拠点とするアーティスト、ライアン・カールとのコラボレーションによるものだ。