ジバンシィ(Givenchy)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月29日(日)、フランス・パリで発表された。テーマは「NY PARIS 1993」。
今シーズンのジバンシィを紐解くカギとなるのは、90年代のニューヨークを彷彿とさせるデニムスタイルと、ノルタルジックなパリの花柄をイメージしたフラワーモチーフのピース。アーティスティック・ディレクターのクレア・ワイト・ケラーは、“都市”のエネルギーから生み出されたデニムと、“自然”からインスピレーションを得た花柄をコレクションの中に共存させることで、2つの要素のコントラストから生まれる美しさを表現した。
デニム地のボトムスは、膝が露になったクラッシュジーンズや、左足だけブリーチを施したようなショートパンツ、太ももに切り込みを入れたクロップドパンツ、リメイク風のロングスカートなど。ボトムス以外にも、左右で濃淡の異なるデニム生地を採用したロングアウターを投入している。
情熱的な花柄は、裾に向かって緩やかに広がっていくボリューミーなロングドレスや、オフショルダーのブラウスなど、フェミニンなアイテムにプリント。フロント中央に深いスリットの入ったアシンメトリードレスには、立体的なフラワー刺繍を散りばめている。
“都市”を示すデニムと“自然”を象徴するフラワーモチーフは、単にコレクションの中に同居しているだけでなく1つのルックの中でコーディネートされることもあり、ブルーの花柄ブラウスとクラッシュデニムを組み合わせたルックなどがランウェイに姿を現した。2つの異なる要素を融合させるというよりは、そこから生まれる不協和音に美を見出そうとするアプローチが感じられる。
スリムなロングジャケットにハーフパンツをレイヤードする、新しいスーツスタイルが提案されているのも今季の特徴。メンズのテーラーリングを彷彿とさせるハウンドトゥース柄のノーカラージャケットや、ペプラムを取り入れたフェミニンなジャケットなどに、ひざ丈のハーフパンツを合わせて、軽やかなムードに仕上げている。
バッグは、ナッパレザーのボディに、ループ状のハンドル、タッセルチャーム、ダブルGのエンブレムを組み合わせた新作スローチバッグが登場 した。