ヴェルサーチェ(VERSACE)の2020年秋冬ウィメンズコレクションが、2020年2月21日(金)、イタリア・ミラノで発表された。メンズとの合同ショー形式である。
「今どきの男性、そして女性の人物像とはどんなものか?」という問いに対し、「男性と女性のどちらも平等にパワフルな存在である」と答えた上で、ブランド史上初めてウィメンズ&メンズのコレクションを同時発表するに至ったドナテラ・ヴェルサーチェ。今シーズンはジェンダーの平等と多様性を祝福しつつ、官能性やパワーを主張するコレクションになっている。
抑制され続けてきた官能性を解放する象徴となっているのが、今シーズンのキーディテールであるスラッシュ=裂け目。この裂け目のディテールを、ウィメンズのスリップドレスやスカートにあしらった。またこのスラッシュをつなぎ止めるパーツとして、アイコニックなグレカキーを施したジュエリースタイルのリングを使用するなど、細部にまでこだわっている。
自信に満ちたパワフルな女性像を描き出すのが、ハリのある素材やボンディング加工された生地を重ね使いすることで生み出されたしっかりとしたフォルム。パワーショルダーのジャケットはキュッとウエストを絞ったスタイルで、スカートはくっきりとしたアーチを描いたドーム型で、力強い個性を主張する。
フィナーレに向かって登場したのはイブニングウェアの数々。ショルダーを強調した彫刻のように美しいリトルブラックドレスや、メタルメッシュやクリスタルメッシュを使用したアニマル柄のような「ヴィルトゥス V」ドレスが、イブニングに相応しい華やかなムードを放っていた。