マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)の2020秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク初日の2020年2月24日(月)に発表された。
先シーズンのテーマ「包む」をより進化させた今季は、対象物を守る“籠(カゴ)”を起点にインスピレーションを広げた。デザイナー黒河内真衣子の頭に浮びあがったものは、日本のアート・ディレクター 岡秀行による手編みのカゴやそれらが作り出す自然な格子柄。また大自然溢れるアイルランドの旅を通して、地球という惑星も“人間を守る籠”であることを悟った黒河内は、そんな温かな自然のエッセンスもコレクションに落とし込んでいく。
今季のキーモチーフとなる格子柄は、ブランドを象徴するジャカード織で表現。トップス×ボトムスをモノトーンのスタイリングで纏めながらも、光沢のあるフィルム素材を織り込んだことによって、格子柄の生み出す立体的な表情をより引き立たているのが印象的だ。
洋服を飾るディテールにも今季のスパイスを加えて。ドレスの上には、アイスランドの自然を彷彿させるフローラルモチーフが刺繍されたほか、洋服のスリーブの裾やラッフルには、手編みの籠を連想させるリネンのコードで、丁寧な刺繍が施されている。
またそのオリジナリティ溢れるディテールによって、マニッシュなムードのアイテムも女性らしい一着へと昇華している点も押さえておきたい。ブラックのパンツに組みあわせたハードなレザージャケットは、裾やポケットに、有機的な刺繍を加えることで、力強くも柔らかなムードを描きだしている。
ランウェイには、レイヤードスタイルによる着こなしも散見された。コード刺繍で仕立てたエレガントなカーディガンは、キラキラと朝露のような光沢を放つフード付きアウターに重ねることで、ドレッシーな表情を演出。ルースに編まれたニットベストは、ニットトップスと組み合わせることで、秋冬らしい温もりをプラスしている。
色味を抑えた今季は、ブラック、エクリュ、そして大地との繋がりから着想を得た温かみのあるアースカラーを中心に。小物アイテムには、ウェアと同様のコード刺繍が施されたポーチやブランド初となるバッグパックが披露されたほか、シーズンカラーのブラウンに染まったアイコニックなPVCバッグが登場。さらに足元には、先シーズンに続くトッズとのコラボレーションで誕生した、ハンドステッチの刺繍によるレザーサンダルが合わせられた。