ロシャス(ROCHAS) 2020年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。
クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・デラクアが手掛けるラストコレクションとなる今季。ランウェイの上には、2013年より自身がメゾンでデザインした代表的なアイテムを復刻させた、タイムレスなコレクションが姿を現した。
“過去と未来”の対話の中にデラクアが求めたのは、年月と季節を超え愛されるファッション。今季のコレクションの中には、ゴールドの刺繍がほどこされたシャツや、フリンジのグリッタースカート、ブロケードのゴージャスなドレス、コウモリの様な形状をもつバット・サングラス、そして彼のシグネチャーであるプラットフォームサンダルが合わさり、モダンな表情へとアップデートされていく。
流行の入れ代わりが激しいファッション界で、彼の作り上げたタイムレスな美しさは、“時間の概念”を取り払うと同時に、均衡のとれたハーモニーをランウェイの上で奏でている。
クチュールメゾンとして誕生したブランドのDNAを受け継ぐドレススタイルと共に、今季はマスキュリン×フェミニンの相反する要素をドッキングしたスタイリングも目を惹く。ウールの肉厚なボーイシャツには、軽やかに舞うパテントレザーのプリーツスカートを組み合わせ。またクチュリエの繊細なテクニックを感じさせるフェザー付きの華やかな生地は、オーバサイズで仕上げた3ピースのジャケットスタイルへと姿を変えている。
さらに今季は男性モデルを起用したウィメンズルックも登場。ブロケードのブラウス×スカート、フリンジのように煌めく装飾をあしらったブラックドレスなどを、凛とした佇まいで闊歩する彼らの姿が観客の目を誘った。
カラーは、ベーシックな色合いに、スパークリング・バイオレッ トやブライト・ターコイズといった鮮やかな色彩を織り交ぜて。単色で3ピース以上を組み合わせているのも特徴で、スパークリング・バイオレッ トを主役にした着こなしには、丈と濃淡の異なるジャケットのレイヤードによって、柔らかなグラデーションを生み出していた。